ちゃおチャオブログ

日々の連続

ラオス北部紀行(68)ルアンパバーン、朝の川霧。

丁度僧侶の托鉢を見終える頃、ナムカーン川の方から霧が湧き上がって来た。
 
 
 
川まで霧の様子を見に行く。ああ、幻想的だ。
 
 
 
対岸も霧で霞んでいる。
 
 
 
川の先は霧に隠れて見えない。
 
 
 
太陽も霧で隠されている。
 
 
 
 
 
昨夜は日本人レストラン経営者の若夫婦に「又近い内にこの町にやって来ますよ!」と約束したが、今の自分の歳で、再び来れるとは限らない。むしろその可能性は低いとみた方が当たっているだろう。そう思うと今眺めているこの光景、これが最後かと思うと、この町が愛しくなる。大半の観光客が帰った後でも、托鉢僧の行列を最後まで見続けていたが、今日の日程もある。今日はこれから8時半のマイクロバスで、中国国境に近い町、ルアンナムターへ向かうのだ。

時間はまだ7時にもなっていない。この通りをゆっくり歩き、どこかで朝食でも食べてからゲストハウスへ戻ったとしても、十分時間はある。ハウスへ迎いの車が来るのは8時だ。先刻少し見えていた太陽は今は霧に隠れている。メコンとナムカーン、二つの大河に挟まれたこの町は、川霧が発生する。前夜両方の川から立ち上った湿気を含んだ空気は、朝の太陽に熱せられ、霧となる。川霧が流れる光景はこの先の上流、パークベンでの朝も見た。大通りをナムカーン川に向かって歩く。

川霧はナムカーンの上に湧きあがり、対岸の岸辺をぼんやりと沈めている。霧の中、吊橋を渡る人もいる。車の通らない吊橋だから、騒音は全くしない。ロープの軋む音さえ聞こえてきそうな静かな朝靄の中、対岸で叫ぶ男の声に、しじまが破られる。が、霧の中、人の姿は見えない。仙人郷の世界にいるような静けさだ。もうこうした経験は巡ってこないかも知れない。

街中に戻り、中心部の通りから少し中に入った路地、そこは一昨日最初に尋ねて満室で断られたゲストハウスの直ぐ近くにある小路だが、2-3軒かたまっているレストランの一つに入り、朝食の麺を食べる。こんなラーメンのようなものにまで、沢山の野菜、レタスが盛り合わせで付いてくるのが嬉しい。如何にも健康的だ。食事を終え、そこから4-5分の場所にあるゲストハウスに戻り、迎えの車を待つことにした。
 
 
 
 
ああ、対岸の人々が橋を渡ってやってくる。
 
 
 
よく見ると人々は、僧侶への供物、「タンブン」(ทำบุญ)の捧げものを両手に持っている。これから、道路に並びに行くのだ。
 
 
 
この川靄の景色。これで見納めになるかも知れない。
 
 
 
さて、今朝はどの店で食事しようか・・。
 
 
 
ワンタンのような幅広麺。野菜がいっぱい付いてくるのが嬉しいね。