ちゃおチャオブログ

日々の連続

ラオス北部紀行(103)ラオスの夕焼け。

陽は西に傾き、納屋を赤く染めている。
 
 
 
太陽は雲に隠れ、又顔を出す。
 
 
 
これからラオス・ルアンナムターの夕焼けのショーが始まる。
 
 
 
水蒸気を含んだ空は穏やかだ。
 
 
 
ラオス水墨画のような世界だ。
 
 
 
みるみる太陽は沈んでいく。
 
 
 
 
最近の日本では空気が澄んできて、今は都心でも朝焼け夕焼けが綺麗に眺められるが、重工業の発達していない東南アジア諸国では、大体どこの国でも夕焼けが美しい。今回の旅行でも既にルアンパバーンメコンに沈む夕日を堪能してきたが、ここルアンナムターでも思わぬ余禄、田野に沈む夕焼けを眺めることができた。

ルアンナムター旧市街からの帰り、一休みした民家(農家)の後ろには広大な畑地が広がっていて、それは全て稲作、陸稲の畑だったが、刈り入れの終わった畑地はどこか郷愁を覚える光景で、地平線の彼方に棚引く野焼きの煙、放牧の牛は音も立てず緩慢に動き、落穂を啄んでいる。ラオスの平和。20数年前まで、内戦に明け暮れ、貧困を更に拍車をかけ、流民と虐殺、国内の混乱と貧困、非衛生。あらゆる悪意が生活に降りかかって来ていたが、今はパテトラオも放逐され、平和が戻って来た。この子供達は平和の賜物、戦争を知らない純真な児童だ。

1時間程をこの民家(農家)で過ごし、田野を散歩し、子供達と戯れ、童心に帰り、新市街に戻ることにした。そうした矢先、西の空が茜色に燃え出し、これから日没の天体ショーが始まった。東南アジアアジアではあちこちの場所でこの光景を見ている。しかし何回、どこで見ても飽きることはない。ただそれだけのこと。ただぼんやりと。無の境地には程遠いが・・。
 
 
 
 
茜色の空。
 
 
 
今日1日が終わって行く。
 
 
 
今日の最後の輝き。
 
 
 
ああ、もう今は残照を残すのみになった。
 
 
 
黎明とは太陽が昇る前の明け方の空を言うが、夕日の落ちたこの空を何と呼んだらよりだろう・・。
 
 
 
日没の黎明とでも呼ぼうか・・。野火は尚棚引いている・・。