ちゃおチャオブログ

日々の連続

ベトナム「ガックリ」旅行記(13)友誼関にてベトナム再入国拒否!

友愛路にあるバスターミナルから友誼関行のバスが出ている。
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南寧から友誼関までは快適な高速道路1本で行ける。
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途中、凭祥市(憑祥・ひょうしょう)の手前には、深山幽谷の面持ちの奇岩の原野をバスは走る。
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左右に林立する奇岩絶壁は、将に陸の桂林、陸のハロンだ。
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約1時間、バスの左右には山が迫り、見飽きぬ景色が続く。
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そう言えば、今走っているこの憑祥も、桂林と同じ、広西チワン自治区内にあるのだ。
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高速道が快適で、高い山中に入った、との感覚は全くない。恰も平坦地を走っているがごときだ。
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朝一番で昨夜のショッピングモール内にあるレストランへ行き、店が開くのを待って、出勤してきた店員に、通じない英語でカメラのことを話しても、チンプンカンプン。全く容量を得ない。もうこの際、諦めるしかないだろう。ホテルに戻り、荷物を纏め、今日は国境を越えて、1泊位どこかベトナムの国境沿いの田舎の町で過ごし、明日ハノイに戻ることにする。

ベトナムとの国境は「友誼関」。南寧からは170キロ位の場所にある。友誼関行のバスターミナルがどこか分からず、ホテルで聞いても要領を得ず、タクシーに乗って、「ベトナムベトナム、ヨーイーグアン」と言ったら、市内のほど近い場所にあるターミナルまで運んでくれた。昨日東興から到着した郊外の新設ターミナルまで行かなくて良かった。タクシー代も僅か10元で済んだ。

ここは友愛路にある「友愛バスセンター」で、ここから丁度8時50分発の「友誼関」行のバスが出る。98元。約2000円だから昨日乗って来た、東興ー防城港ー南寧間の65元と比べたらかなり高い。距離は半分も無い筈だが・・。南寧の大きな市内を通り抜け、邕河(ようこう)の大きな橋を渡り、市内からそのままずっと高速道路を走り続ける。中国大都市のインフラの整備には目を瞠る。

高速に入って1時間程すると、左右の景色が一変する。今まで広々とした田園風景が窓の外に広がっていたが、左右から尖った山が急に迫って来て、その林立した岩峰の間をバスは走って行く。高速道が幅広で、殆ど真っ直ぐだから、山間部に入ったというイメージは無く、従来通りの平原をした走ると言った感じだが、周囲の山を見る限りは、「深山」を抜けている感じである。

ここは「紅木」、即ち、マホガニーで有名な「憑祥」(ひょうしょう)市、簡体字では「凭祥市」と書くが、この町の手前、約1時間程こうした仙人が住んでいそうなとんがり山が続く。二日前、ハロン湾で海中から突き出た岩峰の島を幾つも見たが、ここは平地の中の岩峰だ。川が流れていれば、桂林の「漓江下り」と変わらない。ここは陸の桂林!陸のハロン!。こうした「仙人の山」の連なりであれば、大量の「紅木」が切り出されるのも何等不思議はない。

そこから10数分、ちょっとした街並みの「凭祥市」を通り過ぎると、左手に大きな「紅木城」の商場の建物が見え、街にも「紅木の町」と大書された横断幕が見えたが、成程、ここがその産地だったのか・・。この街並みを通り過ぎて暫らく進むと、右手前方に大きな岩の壁が迫って来る。岩壁は殆ど垂直で、大きな屏風のように前方の空を覆っている。・・ああ、ここが「友誼関」なのか・・。三国志の舞台にもなりそうな岩壁だった。

バスを降り、歩いて税関に向かう。石造りの「友誼関」が前に立ちはだかる。古風な建物で、如何にも古代の関所、と言った感じだ。城門の下を潜り、近代的な中国税関の建物に入り、全く問題なく中国を出国したが、ここから更に300m程離れたベトナム税関で問題が発生した。

若い税関員は中々スタンプを押してくれない。彼は英語が話せないので、当方をカウンターの前に待たせたまま、隣のブースへ行き、年輩の税関員と何か相談している。その年配者はどこかへ電話している。彼は英語が多少話せたので、当方に対し、前の椅子で待っているよう指示する。かれこれ30分以上、随分待たされた挙句、別室へ行く様に言われる。この税関の責任者のようだ。彼はほんの少ししか英語が話せない。が、自分でお茶を入れてくれて、飲むように勧めてくれる。何のために部屋に呼ばれ、お茶まで入れてくれるのか、全く理解できないが、3年前ラオスからベトナムへ入国した際、ベトナム人がお金を税関員に渡しているのを見たので、自分としては、この責任者は「ワイロ」が欲しいのだな、と想像していた。

暫らくお茶を飲んでいると、先刻の先輩税関員が部屋にやってきた。いよいよ値段交渉が始まるか、と身構えていたら、何と、全く予想外の話をし出す。即ち、「ベトナムへは入国できない」と。いよいよ来たか! ポケットをまさぐり、幾らか残っている元を取り出し、ちらつかせたが、そんな賄賂は一向に聞きそうにない。彼が、単純な英語で朴訥と話す内容は、要は、
「日本人は基本的にベトナム入国の際はノービザで15日間滞在できる。しかし、一度ベトナムを出国するとこの特典は失われ、再入国が例え15日以内であったとしても、ノービザでは入国できない。ベトナム領事館が南寧にあるので、もう一度南寧に戻り、ビザを取得した上でないと、再入国は不可だ。」

エー! そんなバカな!そんな話は一度も聞いていない! お金を払うから、何とかこのまま入国させてくれ! と懇願しても、責任者の手前もあるのか、「ウン」とは言わない。これ以上、ここで口論しても始まらない。それがこの国のルールである以上、従わなければならないのだ。一瞬、日本大使館に電話し、助けてもらうことも考えたが、自己の不注意、無知でこんなことになったのだから、忙しい大使館員に手間をかけることもないだろう。結局、今走って来た高速度を、再び南寧にU-ターンすることにした。昨日は、カメラを失くし、今日はベトナムに入国できない。最悪の旅行となった。




さて、約2時間、いよいよ友誼関に近づいてきた。
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岩の壁が覆いかぶさるように立っている。
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間もなく友誼関だ。
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友誼関に到着し、人々は歩いて税関に向かう。
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全く、戦国時代からあるようながっしりした石造の関所だ。
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右下に「陳毅」と署名されている。この「友誼関」は当時の外務大臣の署名によるものだ。
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さて、税関建物に向かうが、ベトナム側で、入国出来ずに、追い返された!
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