ちゃおチャオブログ

日々の連続

ニュージーランドの1週間(16)アオラキ(クック山)の自然と草花。

参加者全員での記念撮影。
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ここまで案内してくれたガイドのシェルパと添乗員の梅さん。
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最後にもう一度アオラキ(クック)を見て別れを告げる。
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この辺りの白濁した渓流。
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再び第2吊橋を戻る。
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岩肌は崩れ、ガレ場になっている。
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白濁する湖。
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遥か下にカールと、その先のプカキ湖が霞んで見えている。
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今回トレッキングの最終目的地。山道はまだ先まで続いていて、氷河がクック山から流れ落ちる直前の場所まで行くことも出来るのだが、今の我々の脚力ではとても無理だ。嘗てのように足腰が丈夫だったら、自分一人でもその先まで行って、引き返すことも考えたが、今のレベルではとても適わない。そこでこのアオラキ(クック)が真正面に見える場所で全員集合の記念写真を撮り、引き返すことになった。

このNZの最高峰「クック山」は富士山より50m程低い3724mの標高があるが、以前はこれよりも40m程高かった。温暖化の影響で、山頂の厚い氷が崩落し、低くなったのだ。富士山と同じ程度の高さだが、これだけの氷が氷河となっているのは、緯度が南極に近い低い位置にあり、日本で言えば北海道の北の方の位地(緯度)に当たると言う。以前、5月の連休に百名山最北にある利尻山に登ったことがあったが、僅か1700mそこそこの高さの山だったが、8合目から上は厚い雪原になっていて、登山に困難を来したことがあったが、この「クック」は利尻よりは2000mも高い。山頂が厚い氷に覆われるのは必然だろう。

名前の「クック」は海洋探検家、航海王「クック船長」、「Captain Cook」から取られた名前だ。西洋人で最初にクック船長がこのNZの島を発見したという。船長の名前を冠した地名はこの山以外にも南北の島を分ける海峡、丁度それは本州と北海道を分け隔てる津軽海峡と似た感じ、幅の海峡だが、ここにも「クック海峡」、「Cook Strait」の名前が付けられている。彼が西洋人で最初にこの海峡を渡ったのだ。とは言っても、彼はこの「クック山」には登頂していないが・・。上陸もしていないので、多分、この山も見ていないし、当時は、山の存在自体も知られていなかったに違いない。


この山は先住民からは元々は「アオラキ」と呼ばれていた。「雲を呼ぶ山」。富士山でもキリマンジャロでもそうだが、高い山の山頂には良く笠雲が現れる。山頂の雪が融けて水蒸気になり雲になるのだ。或いは気流の関係で雲を呼ぶのかも知らないが、高い山と笠雲は殆ど一体のものだ。今朝のアオラキ山頂にも雲が掛かっていた。笠にはならなかったが、雲が流れていた。山名通りの情景だった。山岳ガイドシェルパの話では、午後は大体いつも曇ってくるそうだ。だからこの山のトレッキングは午前中に限る、ということである。

後からこの島にやってきた西洋人は、先住のマオリ族が使っていた名前「アオラキ」を勝手に「クック」に替え、現住のNZ人以外にこの「アオラキ」という言葉を知っている人は少なく、当方も今回この地を訪問し、初めてそう呼ばれていることを知った。しかし現在NZでは公共施設以外の場所でもマオリ語・英語の両語併記が行われていて、これは先住少数民族に対する一種の公民権運動の一環なのかも知れないが、先年行ったオーストラリアの「エアーズロック」も今では「ウルル」の名前の方が広く世界に流布していて、これも又少数民族アボリジニの従来からの呼び名を尊重する事と、同一の流れなのだろう。

時間が限られているので、長い間このアオラキを眺め続けることも出来ず、全体写真を撮った後は、各自それぞれの思いを込めて記念の写真を撮って、この山に別れを告げた。「アオラキ」、「雲を呼ぶ山」は、今まさに雲を呼び、山頂が隠れつつあった。帰りの下山道は、先刻歩いているから、馴染みもある。反対向きの情景になるが、それでも頭の隅には残影として残っている。吊橋、谷川の流れ、路傍の草花、ガレ場、白濁する湖、白銀の山、又山。自然の世界に身を投ずると、何故か慈しみの心が芽生えてくるものだった。



山道に咲く草花。
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白山イチゲかエーデルワイスに似た花も。
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目立たないがいろいろな草花が咲いている。
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氷河に押し出された岩石がゴロゴロしている。

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ああ、第一吊橋が遥か下に見える。
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ガイドのシェルパと最後にもう一度写真を撮る。山には雲が掛かって来た。
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午前好天の中での山歩きを楽しめた。
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ルピナスのような花も見送ってくれている。
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