この荒涼とした緑の全く見えない山の景色はどこに似ているのだろう・・

人が足を踏み入れた形跡もないのだろうか・・

どこまでも青い空。

僅か1時間の乗機でも機内サービスがある。

コーヒーとスナック。どうもありがとう。

いつしか飛行機は海上に出ていた。これはひょっとしてクック海峡?

海上に出るともう直ぐにも陸地が見えて来た。

窓側の席を代わってくれたNZ人が親切だったのか、醜い日本人丸出しで、他人の迷惑も顧みず身を乗り出すようにして、窓の外を見ようとしていた当方に嫌気がさして代わったのかは定かではないが、彼は別の席に移り、しきりにパソコンを動かしている。この国最大の都市オークランドと第2の都市CHCHを頻繁に往復しているビジネスマンで、窓の外の景色には見飽きているのだろうと、一人合点した。そう言えば、150人以上は乗っている客の中で、背広ネクタイ姿の、日本人で言えばビジネスマンの定番スタイルの乗客は誰もいない。皆、ラフな格好だ。席を譲ってくれた彼のようにパソコンとにらめっこしている人も何人かいる。その内の何人かはビジネスマンだろうが、この国では背広ネクタイは流行らない。背広を着てネクタイを締めるのは、セールスマンが何かの商談をしに行く時位だろう。
窓の外は相変わらず木の生えていない岩峰が続いている。南アルプスは南北600キロ続くと山村さんが言っていた。600キロと言ったら、東京から姫路、岡山の辺り。山並みが延々と続いている。日本でも羽田から福岡へ飛ぶときは、日本脊梁に沿って南下するが、ここの景色と違うのは、あちこちに都市の広がりが見え、かなり奥深い山の中にも、人の住む気配、人家が見えると言うことだ。以前バンコクから上海に飛んだ時、雲南の山又山の上を飛ぶが、そうした山中でも川沿いとか、谷間に道路や人の気配を感じたが、ここNZの南アルプスは、山並みしか見えない。人の痕跡を見つけるのは困難だ。考えてみたら、日本の8割程度の国土に対し、人口は僅かに3%、日本の30分の一の人口密度だから、人跡未踏の山の連なりになるのはやむを得ないか。・・いつかドイツへ行った時、シベリア上空を通ったが、荒涼たるツンドラ地帯、ウラル山系の荒涼をふと思い出した。
一旦海上へ出る。ここは南北の島を分け隔てているクック海峡なのだろう。津軽海峡程の広さがあるから、この海面の広さからしてもクック海峡に違いない。程なくして海岸線が右側に見えてくる。即ち機は左側の洋上からオークランドにアプローチするようだ。CHCHは南島の右側、南太平洋に面しているが、オークランドは北島の左側、タスマン海に面している。機は南島の背骨の部分の山脈を黄疸して北上し、一旦洋上に出て、左側、即ち、西側から東に向かってオークランド空港への着陸態勢に入って行った。
周囲の人口を入れての総人口は100万人超。大きな広がりを持っている。飛行機が海上から陸地に達すると、もう既にその海岸線には、住宅が見えてくる。オークランド郊外の集落だ。大きな湾の上空を飛ぶ。巾着のようになった細長い、奥深い湾だ。その入口付近が両側の陸地が狭まり、湾口の門のようになっている。・・ああ、そうか、この地形。南島のバスの中で山村さんが、この国の都市と日本の町村の姉妹都市を幾つか挙げた。その中の一つに、このコークランドと福岡市があった。
・・成程、博多湾。博多湾は壺のような形で、丸みを帯びていて、このオークランド湾のように巾着、ウナギの寝床のような奥深い、細長い湾にはなっていないが、この湾口の閉じられた形、博多は金印の発見された志賀島とその対岸の前原或いは能古島。湾を両側から閉じ込める形はそっくりだ。・・そうか、どちらが先に姉妹都市の提案をしたか知らないが、この空からの二つの都市の湾の姿を見て、両都市が姉妹関係になった、というのは理解できた。それは当方の全くの当て推量で、真の関係は全く別の理由かも知れないが・・。湾の上空をゆっくり旋回するように進み、間も無く機はオークランド空港に着陸した。
窓の外は相変わらず木の生えていない岩峰が続いている。南アルプスは南北600キロ続くと山村さんが言っていた。600キロと言ったら、東京から姫路、岡山の辺り。山並みが延々と続いている。日本でも羽田から福岡へ飛ぶときは、日本脊梁に沿って南下するが、ここの景色と違うのは、あちこちに都市の広がりが見え、かなり奥深い山の中にも、人の住む気配、人家が見えると言うことだ。以前バンコクから上海に飛んだ時、雲南の山又山の上を飛ぶが、そうした山中でも川沿いとか、谷間に道路や人の気配を感じたが、ここNZの南アルプスは、山並みしか見えない。人の痕跡を見つけるのは困難だ。考えてみたら、日本の8割程度の国土に対し、人口は僅かに3%、日本の30分の一の人口密度だから、人跡未踏の山の連なりになるのはやむを得ないか。・・いつかドイツへ行った時、シベリア上空を通ったが、荒涼たるツンドラ地帯、ウラル山系の荒涼をふと思い出した。
一旦海上へ出る。ここは南北の島を分け隔てているクック海峡なのだろう。津軽海峡程の広さがあるから、この海面の広さからしてもクック海峡に違いない。程なくして海岸線が右側に見えてくる。即ち機は左側の洋上からオークランドにアプローチするようだ。CHCHは南島の右側、南太平洋に面しているが、オークランドは北島の左側、タスマン海に面している。機は南島の背骨の部分の山脈を黄疸して北上し、一旦洋上に出て、左側、即ち、西側から東に向かってオークランド空港への着陸態勢に入って行った。
周囲の人口を入れての総人口は100万人超。大きな広がりを持っている。飛行機が海上から陸地に達すると、もう既にその海岸線には、住宅が見えてくる。オークランド郊外の集落だ。大きな湾の上空を飛ぶ。巾着のようになった細長い、奥深い湾だ。その入口付近が両側の陸地が狭まり、湾口の門のようになっている。・・ああ、そうか、この地形。南島のバスの中で山村さんが、この国の都市と日本の町村の姉妹都市を幾つか挙げた。その中の一つに、このコークランドと福岡市があった。
・・成程、博多湾。博多湾は壺のような形で、丸みを帯びていて、このオークランド湾のように巾着、ウナギの寝床のような奥深い、細長い湾にはなっていないが、この湾口の閉じられた形、博多は金印の発見された志賀島とその対岸の前原或いは能古島。湾を両側から閉じ込める形はそっくりだ。・・そうか、どちらが先に姉妹都市の提案をしたか知らないが、この空からの二つの都市の湾の姿を見て、両都市が姉妹関係になった、というのは理解できた。それは当方の全くの当て推量で、真の関係は全く別の理由かも知れないが・・。湾の上空をゆっくり旋回するように進み、間も無く機はオークランド空港に着陸した。
ああ、ここは北島の海岸線だ。

北島も南同様に緑が少ない。

ああ、オークランド郊外の集落が見えて来た。

ああ、オークランド湾だ。

