2年程不作で、全く実を付けなかった柿が、今年は鈴なり。早くも熟して小鳥に啄まれたり、落下したりしている柿もある。今日は久しぶりの晴天。赤くなっている柿の幾つかを採り、食べた。沢山なり過ぎているせいか、実も小さく、甘みも少ない。が、3年振りの自宅の柿を味わった。この柿の木ももう30年になるか・・。息子の柿だ。
昨日が中秋で、今日が十六夜。何か、今日の満月の方が、中秋よりも大きく、地球に近づいているらしい。夜、再びベランダに出て、中空に浮かぶ満月を撮影。
芭蕉に、「さまざまな こと思ひ出す 桜かな」の句があるが、今晩の月は、
「さまざまな こと思ひ出す 月夜かな」。
電気を消したベランダに青白い月の光が注がれていた。矢張り、月は月黄泉だ。
秋の読書シーズンではないが、先日借りて来た本、3冊、読み終える。
出光社員にとっては必須の本と思うが、中学、高校生の夏休み、冬休み、読書週刊の必須読書の1冊に挙げてもらいたいような内容だ。優れた日本人の精神構造、生き様を体感できる内容だった。
次に読んだのは斉藤一人氏の「強運」。人間の生き方、考え方、運の捉え方。彼は自分とほぼ同世代、2歳若いだけだが、物の見方、マイナスをプラスに変える積極的に取り入れる思考方法、等々で、巨万の富を築き、過去10数年、所得税トップの座を守っている。
自分も来年で古稀。後1年生きるとすれば、これは希望でもあるのだが、残り10年は長いものだ。残り10年、悔いのない人生を生きるようにしていきたい。
最後はレオナール藤田、こと、藤田嗣治。先日小諸へ行き知った木村恵三の少し前の画家で、亡くなったのも木村よりも15年位前か、昭和43年、81歳で亡くなっている。彼が一時メキシコにも住んでいた、とは今回初めて知ったが、それ以上の、彼の父親が陸軍軍医で、藤田嗣章、大正6年に軍医総監になっていた、とは驚いた。だとすると森鴎外の後任者だったのか・・意外な処で、関係が出てくるものだ。
月光を眺めながら、ワインを飲む。胆管癌で亡くなった若き人の人生を想う。