ちゃおチャオブログ

日々の連続

11.30.(月・晴れ)相次ぐ高齢者の死亡、水木しげるさん。山本兼一「利休」

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冬場になって高齢者の訃報が相次ぐ。今日は又水木しげるさん、93歳が亡くなる。普段からマンガは余り見ていないが、ゲゲゲの鬼太郎はテレビでも見ているし、先年はNHK朝の連ドラ、ゲゲゲの女房、も楽しく見ていた。
彼がガダルカナルからの帰還兵だったとは驚きだ。2万数千人の戦死者・餓死者が出て、生き残った将兵は僅かに数パーセント、100人の部隊で2-3人もいなかっただろう。左腕を失っても尚生還できた。驚異的な生命力と言える。
随分以前に島根の境港へ行き、駅前から続く水木ロードを歩き、鬼太郎やお化けの銅像が10数メートル置きに建っていたが、街全体はもう殆ど過疎で、通行人も殆どいなく、お化けよりもむしろ人気の少なさに、心もとない思いをした。
それから又豪州を旅行した際、彼はそれ以前に取材陣と豪州旅行をしていて、1冊のマンガ・写真混じりの旅行記を出していて、ウルブ・エアーズロックなどの神秘的な原住民アボリジニなどの漫画を描いていたが、面白く参考にしてもらった。
93歳、大往生だ。本来なら70数年前にジャングルの中で命を失くしていたかも知れなかったが、生き延びた命を社会の為、人々の為に役立てた。良い往生だ。

土日埼玉へ行っていて、時間があったので、山本兼一の「利休にたずねよ」を読み進める。2009年、第140回直木賞受賞作。良い内容の作品だ。先日又吉の芥川賞受賞作「花火」を読んだが、内容的にも文体も、「利休」の方が余程かレベルが高い。
これから活躍しようとした矢先の去年、57歳の若さで急死した。肺腺ガンとのことである。亡くなる6時間前に、折から中央公論で連載中の「平安楽土」の原稿を渡し、それが絶筆となった。自分より10年も後に生まれ、あっという間に過ぎ去って行った。
利休の中に出て来る高句麗の王女、そして彼女が持っていた緑釉の香合は、小説の中の架空の話と思われるが、秀吉にしても三成、大徳寺古渓宗陳、武野紹鴎にしても、人間が皆生き生きと描かれている。筆力構成力の高い作家だったが、惜しいことをした。

さて、11月も今日で終了。明日からはいよいよ今年最後の月、師走となる。走り回って、走り回って、1年を終えようか。


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