ちゃおチャオブログ

日々の連続

最悪のインド旅行記(13)インド国鉄・戦場の寝台車。

ブッダガヤーコルカタ(HOWRAH Jn)間の予約プリント。列車は時間通りにはやってこない。
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こんな感じの急行だが、もっと混雑している。
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これ程混んではいないが、車内は似たようなものだ。
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駅間によっては、急に客が少くなることもあった。
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昨日のブログの中で、Inainaさんが当方のインド列車の500%の乗車率!にコメントを寄せていたが、彼には多分想像も出来ないだろう。事故遅延等で最大に混む中央線快速でも、最高200数十%どまりだろうから、その倍以上の混雑度と言っても、彼に限らず普通の日本人にはおよそ想像できないに違いない。

ベナレス(正式な駅名は「Mughal Sarai Jn」。尚、このSaraiは「Caravan Sarai」のサライと同様な意味であり、「宿舎、宿」等を意味する)からブッダガヤ(Gaya Jn)までは混むと言っても4時間程度でそれも最初の1時間位で、その後は座席に座ることも出来たが、その次の乗車、それは二日後のGayaからコルカタ(駅名は「Howrah Jn」。コルカタの中央駅となっている。)までの想定では8時間程度の乗車が、実際にはその倍近くの時間が架かってしまった。

後進国の大陸鉄道だから時間が遅れると言うのはやむを得ない事情で、ある程度想定内のことだが、その混雑ぶりと言ったら戦場並だ。いや、実際の戦場はこんな生易しいものではないだろうが、自分にとっては戦場と同じようなものだった。大体、列車が来たのも、出たのも予定よりは2時間程も遅れ、乗った列車が予約したものかどうか定かではなかったが、ホームの人に聞くと、ここを走っている列車はみな「ガヤーホウラ急行」(GAYA HWR EXP)で、どの列車もコルカタまで行く、とのことで、兎も角空いている席を探し、座った。その時はまだ90%位の乗車率で、空いている席もポチポチあった。

列車がどの辺りをどう走ってるかは全く分からなかったが、いずれにしてもコルカタへ向かっていることは間違いなかった。出発して暫らくすると車掌が巡回にやってきて、予約プリントを見せると、両手を下に向けて抑えるようにして、丁度サッカー試合の時にレフリーがするような仕草をして、ここにそのまま座っていろ、と言う。まあ、それで安心して座っていると、駅に停車する度に乗客が増えて来て、3-4つ停車した後には、超満員の乗客。4人掛けの座席に重なり合うようにして、何人も押し合っている。流石に当方外国人と見て取って遠慮があったのか、窓際に押しやるようなことをしても、膝の上とか体に重なり合うような乗り方はされなかったが・・。

すし詰め牛詰めの中でトイレに行くのもはばかれ、尤も一度席を立ったらもうそこへは戻れなくなるとの心配もあり、又飲み物も殆ど飲んでいないので、間遠になるのは当然かも知れなかったが、顔を窓ガラスに押し付けるようにして外の景色を眺めていた。似たような殺風景な荒野が続く。日本のような山紫水明の景色を見られないのは大陸だからやむを得ないか・・。

停車駅によって乗客の増減が見られ、外も暗くなってきて乗客もやや減って来た頃、車掌がやってきて、4人掛け椅子を畳んでベッドを作る。このやり方は日本の寝台特急と同じだ。尤も日本の列車の発祥はイギリスだから、元英国領のインドが同じやり方をするのは当然のことかも知れないが。ただインドは広軌軌道を採用しているのか、ベッドの幅も奥行きも日本のものより3割以上は大きい感じだ。

まだ時間は早いがゴトゴト単調な音と振動は気持ち良い眠りを誘う。うつらうつら仕掛けたら、足の隅の方に人が張り込んできて、座り寝を始める。尤も、このベッドは自分一人で使っていたが、向いも上の段もベッドの上には3人も4人も重なって寝ていたのだが・・。まあ、一人位隅の方に居候させてやっても良いか、どうせ寝られなくても、ホテルにチェックインして寝れば良いか、と。

そんな風にまどろんでいると、真夜中、とある駅に着いたら、どっと人が押し寄せて来て、自分自身も横になってなどいられない。ドンドン入り込んできて、結局ベッドは椅子代わり。広いベッドの上に6-7人が入り込む状態。勿論真夜中車掌が回ってくるようなこともなく、仮に巡回してきたとしても、こうした多数の人々の勢いを押し留めることも出来なかっただろう・・。全くインドの寝台車って一体どうなてちるのだろう。リュックを奪い取られないように、必死に前に抱え、暫らくの時間途方に暮れていた。全く、自分にとっては戦場だ。




この映像は極端だが、まあ、云わば、大変な乗客だ。
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空いている時の寝台列車
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上の段はこんな感じ。
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500%の客を乗せて、イザ出発!
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