さて、アルカサルを出た。次は理髪店を探すことにしよう。

ホテルの方向に歩いて行くと、ここにもレンタサイクルの店があった。


小公園でスムージーが美味しそうだった。実際に美味しかった。

中通りに入ると、いろいろな店が開いている。

イタリア人のロッシーニがスペインのこの町、セビリアの床屋の話を軽快なオペラに作り上げた背景は自分には分からないが、同じ地中海民族、国は違っても言葉は方言程度の違いで、日本で言えば、秋田藩士と薩摩藩士が方言同士で会話するよりは、もっと楽にスムーズな会話が成り立つだろう。
良く欧州人は複数の外国語を流暢に操れる、と言われるが、イタリア人にとってみれば、スペイン語もスランス語もポルトガル語もすべて兄弟語で、ちょっとした語尾の変化で普通に話せるのだから、彼等にとっては外国語ではなく、地方方言の一つ位にしか思っていないのだろう。
自分は以前はクラシックを良く聞いていたが、残念ながらオペラには疎く、「セビリアの理髪師」がテンポの早い軽快な曲程度しか知らず、理髪師と客との掛け合い漫才のような軽妙な応酬の中身は分からないが、兎も角この街は理髪師の街、ここへ来たら、是非散髪屋に寄って、髪を切ってもらいたいと思っていた。
アルカサルを出て、宿泊ホテルのある方向へ歩いて行った。
この辺りが街の中心で、やや大きな百貨店があったり、バールやレストラン、小物店などが飛び飛びに並んでいる。人の集まる所なら床屋もあるだろう。日本では床屋の店の前には赤と白の交互のサインポールがくるくる回っていて、直ぐに床屋と分かるのだが、この国では、床屋と言ってもそんなマークはない。注意して歩かないと、見過ごしてしまうだろう。
大通りから中通り、更に枝分かれした住宅地の中の小通りに入って行くと、あるある。注意して見れば、成程オペラで歌われた街だけのことはある。外から様子を見ると、中々小奇麗で、清潔そうだ。場所が分かったので、もう少し街を歩き、夕方来ることにしよう。
この店は手芸品の店のようだ。カラフルな糸とか毛糸を売っている。

あるある、探して歩けば、床屋も見つかる。

なかなか綺麗な床屋さんだ。

ここはスペインなのに、この店は英語でBARBER SHOPと看板が出ている。

Me Lissa? ああ、この店が良さそうだ。先客が待っている。夕方来ることにしよう。
