ちゃおチャオブログ

日々の連続

イベリア周遊の旅(159)パンプローナ城塞公園を横切って。

前方に見えた緑の公園は城塞公園だった。
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日本の10万石クラスの城址公園程もある広大な公園だ。
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ナバラ王国があった時代の昔からこの場所に大きな城郭があった。
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この公園の地下は掘削され、大きな駐車場とバスターミナルになっている。
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西洋のお城らしい石組みだ。
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パンプローナ大聖堂からホテルに戻る途中、前方に見えた緑の公園は城塞公園だった。午前中ホテルにリュックを預け、市内バスで旧市街地へ来た時に、バスの中から見えた城跡だ。この町のバスセンターはこの公園の一部を利用して建設されていて、地上部分を緑の公園にし、地下の空間を巨大なバスターミナル及び駐車場にしている。地上をならして駐車場やバスの発着所にするのが通例だが、この町では余分な費用、というか、多額な予算をかけて地下を掘削し、広大な地下空間を作っている。

お陰で、地上部分は昔の石造りの城跡が保存され、排気ガスの無い静かな公園となっている。日本でも新宿公園とか代々木公園の地下を掘り下げれば、広大な駐車場やターミナルができると思うが、新宿バスタの例にあるように、日本では地下をくり抜くよりもビルを建設した方が安価に済むのだろう。

ホテルの大体の方角は分かるので、この城跡を横断して行くことにした。車社会なのか人口密度の少ない為か、まだシエスタの延長なのかは分からにが、公園を歩く人は殆どいない。午前中の森林公園でもそうだったが、公園内に見えるのは巡礼者の一団だけで、市民の姿は余り見かけなかった。この公園も同様で、ここには巡礼者が居ない分、より人気のない公園になっている。日本の行政感覚なら、これ程人の集まらない公園だったら、何も地下に巨大なターミナルを作ることもない、公園の半分ほどを潰し、バス発着場にした方が経済的だろう、との意見になるだろう。

殆ど無人に近い公園を歩いて、対角線上の反対側の出口に向かうが、公園にはホームレスとか浮浪者も全くおらず、誰かに襲われるという心配もない。もったいない位の無人空間を前方の石垣に向かって進む。如何にもヨーロッパ的な城塞だ。どことなく感じが函館の五稜郭に似ている。日本のように本丸、天守閣を守るような石垣ではなく、平面全体を守るように造られている。日本の城郭も素晴らしいものがあり、特に築城に秀でた加藤清正藤堂高虎等々、城造りの名人の背後には穴太衆の見事な石造りがあった。それはそれで見事な石組みを現代に残しているが、立体的な日本の城郭と違って、こちらは如何にも平面的だ。

幅10mを超える程の分厚い石垣の内部をくり抜き、公衆トイレが作られている。随分珍しい発想だ。日本ではこんなことはとても考えられない。石垣の横とか公園内のどこかにトイレハウスを作り、石垣の内部を壊して、トイレに改造するなどの発想はとても出てこないだろう。或いは昔はこの場所に城壁守備兵のトイレか休憩所でもあったのか・・。面白いので、自分もトイレに入り、さっぱりして城外に出た。

石門を出た先は新たに開発された大学町で、広々とした計画街区に中高層のビルが空間を広げて並び、今晩のホテルはその一角にあった。所謂コンドミニアムだ。綺麗なビルで、部屋も綺麗そうだ。今晩は久しぶりに静かに寝られそうだ。




この分厚い石垣の真ん中に穴を開け、トイレが作られている。
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清潔な公衆トイレでさっぱりし、公園を出る。前方が出口だ。
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公園を出た所が新開発された学園町。
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ホテルが入っているビル。
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ホテルはビルの中にあるコンドミニアムだ。
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