今ここに訴訟前の数枚の文面がある。日時不明ではあるが由美子から昭和医大藤が丘病院の医師に宛てたもので、結局この手紙自体は投函されなかったようだが、要約すると以下の内容である。
「毎年冬には1回位ウイルス性の胃腸炎を起こし、それは2-3日で治る軽いものでした。しかし今回は5日経っても下痢と38°の高熱が続き、近くの秀和病院に入院しました。本来なら国際医療センターか昭和医大に入院すれば良かったのですが、下痢位なら近くの病院でも大丈夫だろうと安易に考えていました。
入院直後は『2-3日で治って5日で退院できますよ』言われていたものが、熱が下がらず、数日後から透析とプレドニンパルス療法が始められました。『SLEが腸にきたのだ』と説明されました。
私のSLEは高熱は出ず、いつも腎症状のみで、発病以来15年間、腸に出たことは無かったので、『おかしいな』と思いつつ、言われるままの治療を受けてしまいました。透析のことでは熱心にケンカまがいの議論もするのですが、私がなぜこの時必死にプレドニン治療に抵抗しなかったと悔やまれます。
食べられない状態が何日も続いている上にプレドニンパルスのですからたまりません。口の中はただれてしまい、血糖値の検査の為に針を刺した指先の小さな傷口が治らずに傷が大きくなったりしました。パルスの後もプレドニン投与は続き、またいろいろ抗生剤も使いました。腸の方はその内落ち着き、重湯からおかゆ、普通食へと変わっていきましたが、口の中のただれの為に普通のご飯が痛くて食べられず、しばらく又おかゆに戻してもらったりもしました。