ちゃおチャオブログ

日々の連続

1.31.(木・晴れ)警戒心の希薄な日本人。

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そこに魔手が潜んでいるとは頭の片隅にもなく、ひどい言葉で言えば、「のこのこ」出かけて行った女子大生。命を落とす結果になるとは、露も思っていなかっただろう。群馬の地方の夜間高校を出て、即ち昼間の仕事をしながら学費を稼ぎ、猛烈な勉強の末、日本有数の薬科大学に入学し、去年入ったばかりの1年生。群馬から出てきて、都内で単身大学生活を送っていた。4年間順調に過ぎれば、国家資格の薬剤師になり、どこか大手の製薬会社、又は、病院、薬局での専門職が約束されていた。生半可に遊び惚けて4年間を過ごした天ぷら大学生とは違う、金ぴかの人生が約束されていた。
そんな彼女が全く相手を疑うこともせず、どんな男かの素性も知らず、電車とタクシーを乗り継ぎ、神栖の男のアパートまでやってきた。事件の詳細はまだ明らかになっていないが、一旦は部屋を出た彼女がお金とバッグがないのに気付き、又、男のアパートに戻ったようだ。その後、男の供述によれば、彼女を車の中で殺害し、10数キロ離れた畑の中に彼女は埋められた。去年11月の出来事で、3か月ぶりに事件は漸く明るみになった。遺体が発見されたから良かったものの、直ぐ近くを流れる利根川から広い太平洋に流され、遺体が出てこなければ、警察も手を下すことも出来なかっただろう。
最後の時点で遺体が発見され、彼女の霊も半分は救われたが、それにしても、かなり安易で危険な行動だった。ネットで知り合って間もない相手、ネット上で嘘の略歴、年齢詐称、別人の顔、フリ、をするのが日常茶飯に行われていて、大学生である彼女も当然そうした実情は分かっていたと思う。鹿島神宮駅で降り、タクシーに乗る前も乗っている最中も降りてからも、何回も男に電話、メールをしたに違いない。しかし、返事はなかったか、あったとしても不誠実な応対。こうなる前に、どこかの時点で男の危険性に気付くべきだった。
彼女がどんな家庭環境の中で生まれ育ったかは知らないが、本当に純真な、純な少女、高校生時代を過ごし、相手を疑うということも知らず、清い心で大学生になった。しかし世の中は善人だけではない。この男のように、ネットを利用して、手ぐすね引いて餌食を狙っている人は数多いる。それが今の日本だ。振り込め詐欺は日本以外でも外国でも同種の犯罪が起きている。しかし、日本は圧倒的に被害が多い。年間30億円以上の詐欺に遭っている。
人が好い、相手を疑うことの少ない日本人。昔の村社会だったら、それでよかった。異質の詐欺師は村から追い出せば、村民には被害は及ばない。しかし現状は色々な外国人が日本にやってきて、もう既に「村」ではなくなっている。NHKが毎日ニュースの前に詐欺に遭わないキャンペーンを放送しているが、日本人はもっと自立しなければならない。何から何まで相手を疑う必要はないが、もうここには「村社会」はなく、自身を守るのは自身である、との認識で、生きていかなければならない。大きな被害に遭わない為にも。今回の女子大生事件は、そうした教訓にしていかなければならない。


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