半年ほど前からトランプが金と板門店で会うかも知れないとの水面下の噂があったが、今日、それが現実のものとなった。
トランプは先月の訪日の際、その足で韓国を訪問し、板門店にて米軍兵士を激励しようとしたが、日本側によりそれが諫められ、1か月後の今回、大坂G20会議に際し、韓国訪問を表明し、その際、板門店を訪問する旨は前々から報道されていた。その場に金がやってくる可能性は水面下ではあり得る話として底辺にはあった。
トランプも金も会いたがっていた。それは二人とも国内事情によるもので、二人のニーズが合っていたので、二人は、特に金は満面の笑みを浮かべ、抱き合った。
タヌキとキツネのばかし合い。二人の間に何が話し合われたかは明らかになっていないが、当初の予定より大幅に伸びて、1時間を越える会談となった。当初の予定ではほんの立ち話の挨拶程度が想定されていた。どちらの要望で長引いたのは不明だが、多分金からの要望だろう。金はどうしても制裁解除をしてもらいたいのだ。
会談の結果、米側、ポンぺオとビーガンが窓口として近々に話し合いをスタートさせることで合意した。うるさ型の補佐官ボルトンは北側の強い拒絶反応で、今回はウランバートルに飛ばされて、今日の会議には参加していない。多分、この先もないだろう。場合によっては彼は解任されるかも知れない。トランプの打ち上げ花火には、彼の存在は邪魔だからだ。
タヌキとキツネはお互いのアダ花を求めて前に進むことになった。それは真の平和の構築ではなく、いずれ何らかの事情、大分先になるが、トランプの再選、或いは落選、あり得ない話ではないが、米朝平和協定後のノーベル平和賞ノミネート等で、もろくも破断するだろう。金体制が崩壊しない限り、北はあくまで核を放棄しない。それは父金正日以来の伝家の宝刀だからだ。この宝刀を手放すときは、即ち金王朝が無くなる時に他ならないからだ。その時までは、タヌキとキツネのばかし合いが続いていく。日本は安易に二人の口車には乗らないことだ。