折角の七夕だが、東京は朝から終日雨。しかも梅雨寒。長袖を着たい位だ。外へ出るのもおっくうで,葉室麟「暁天の星」を読む。福岡、西南学院出身、一昨年の12月、まだ66歳の若さで急逝した。惜しい作家を亡くした。
中々面白い本で、一気読みできる。明治の外相、陸奥宗光を主人公にした内容で、史実にも沿っている。外相として不平等条約改定に全力を尽くし、日清戦争に勝って、これから講和会議が始まる時点で、この本は未完で終わっている。葉室が急逝したからだ。
その後、陸奥は条約改定に努力するが、陸奥も又短命で、日露戦争が終わった直後、53歳で亡くなっている。陸奥の後を継いだのが小村寿太郎で、漸く日本は不平等条約から解放されたのだ。葉室とすれば、ここまでの陸奥の働きを書きたかったに違いない。
晴耕雨読、良い雨の日曜日となった。
今日のNHK杯囲碁、藤沢名誉棋聖のお孫さん、藤沢女流名人が趙治勲を破る。酒飲み藤沢のお孫さん、お見事。趙治勲ももう60は過ぎた。藤沢棋聖とは何回も手合いをしたと思うが、感慨深かっただろう。解説が又張栩。時代がどんどん変化する。自分ももう70過ぎた。