戦前、東大教授の美濃部達吉が天皇機関説を唱え、不敬罪でその著書は発禁処分されたが、自分はその内容を詳しく知る訳ではないが、今の北朝鮮、金王朝の動態を見ていると、この機関説、中身の実態は別にして、言葉上の機関説類似性を思う。
金ジョンウンは金王朝の3代目。激しい権力闘争の中で義理の叔父を処刑し、実の兄を殺害し、権力の座を盤石としている。今その彼の生死が定かでない。先月行われた祖父金日成の誕生日、太陽節には毎年必ず姿を見せていたが、今年初めて出席していなかった。機挑戦の最大行事に姿を見せないことは異例のことだ。その後も、今日まで全く公の場には姿を見せていない。巷では死亡説が囁かれているが、トランプも南鮮報道部も死亡を否定している。その一方で、どこからか、妹のヨジョンを後継者にするという話も出てきている。
これ等の点を総合すると、自分はジョンウンはもう既に死んでいる。丁度戦国時代の武田信玄が相手信長にその死を知られない為に、影武者ダミーの信玄を使って、恰もまだ生きているように装い、密に将兵を甲府に引き上げていったように、このジョンウンに信玄のような影武者がいるかどうかは知らないが、その死を伏せ、後継にヨジョンが選任されるまでの時間稼ぎをしているのではないかと、思う。
要は北は3代続いた金一族が、ある意味国家の機関のようになっていて、国権は金王朝によって引き継がれていく。国家体制が金王朝を軸に組み立てられているので、金以外のものがその体制に入り込む余地はない。あるとすれば、革命だけだが、民衆にはその力はなく、軍部は、今の体制に安住している。従って、金王朝を転覆させるだけのエネルギーは、この国にはないのだ。
ジョンウンが死に次にヨジョンが就く。ヨジョンはジョンウンよりスマートで頭が良さそうだが、果たして、この国で女性の指導者が務まるだろうか・・。
3男坊は今北京で飼い殺しになっているが、中国がこの3男坊を後釜に据え、真の意味の傀儡政権を作るかも知れない・・。これから暫く北の動静には目が離せない。