ちゃおチャオブログ

日々の連続

6.13(土・雨)女帝・小池百合子。

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女帝・小池百合子とは、作家・評論家の石井妙子さんの最近の著書の名前だ。女帝とか皇帝、良い意味にも悪い意味にも使われているが、最近の使用例は概ね悪い意味である。

官邸で絶大な権力を振るう安倍総理も、今まで皇帝と呼ばれることは無かったが、先般の検察庁法改定に際し、遂に元検事総長から皇帝と名指しされるようになった。ルイ14世朕は国家なり、になぞられ、総理もルイ14世のように国家・国民を自身の膝下に置く、絶対権力者への道を歩みつつあると。だが、検察庁法は廃案になり、彼の目論見は一時的にはチャラになったかに見えるが、一度奉られた尊称は直ぐには無くなるものでもなく、いずれ又ほとぼりが冷めれば、皇帝としての頭をもたげてくるだろう。

 

安倍はつい最近になって皇帝と呼ばれるようになったが、小池百合子の場合は違う。もう随分以前からそのように名指しされていた。

思い起こせば3年前の都知事選当時、口先男の舛添失脚の後を継いで都知事選に打って出たが、それは全くの落下傘出馬で、東京とは縁も所縁もなかったが、いつの間にか都民ファーストなる名前の政党を作り、この指止まれの一本指戦術で、あれよあれよと人気を博し、PR上手さもあって、見事に当選したが、その後の醜態は見ていられない。ワンマン石原の後、猪瀬、舛添と不甲斐ない男の見本のような知事が続き、都民はフレッシュと思わせたPR上手の女性小池の手玉に載せられたに過ぎなかったとは、後になって分かったことだ。

都民ファースト結成の際、First Penguin,い井の一番に駆け付けたのは、都議のなかでも一番若い音喜多で、その後多くの都議が雪崩を打つようにファーストに合流し、その後又元ヤメ検若狭代議士も議員を辞めて合流してからは大きな流れになって、都議選では圧勝したが、その後が悪かった。

最初の協力者音喜多を冷酷に切り捨て、若狭との間に何があったのか、若狭自身が話していないので、裏舞台は不明だが、選挙後1年も経たない内に若狭も袂を分かった。そうした状況より小池は周りを利用するだけ利用し、用済みとなれば、いつでも切り捨てる、とのイメージが付きまとった。都民ファーストなる政党はまだ尚都議会内に存続しているようだが、そこには小池の姿は既になく、今はもう有名無実の会派になっている。

 

今から40年程前、彼女は確か27歳位の若い女性キャスターだったが、当時の12チャンネル、テレビ東京の深夜番組、11時から始まるワールドサテライトの経済報道番組に出演していたが、カイロ大学卒との異色のキャリアに少しばかり注目したが、その当時は石油ショックの前後の頃で、そう言えば、堺屋太一などもコメンテーターとして出演していたが、中東情勢に詳しい小池が起用されたのかとも思って見ていた。が、彼女がその番組で専門性を発揮することはなく、殆どお飾り的に顔を出していて、1年もしない内に辞めてしまっていた。

その後彼女がどこで何をしていたのかは、詳しくは知らないが、確か小泉の郵政改革選挙かその前か、何かの女性ブームの選挙に乗って当選し、あれやと思ったこともあったが、その後、着々と地歩を固め、初の女性防衛大臣になった時は、驚いた。あの27歳のキャスターがここまで成長したかと・・。

当時別の番組で田原総一朗司会の使い走りをしていた現神奈川県知事の黒岩とか、前都知事舛添とか、田原の前では小僧のような使い走りだったが、時代が変われば変わるものだと・・、10年一日の感を深くした。

 

その小池が都知事になって暫くして、確か今から2年くらい前だったと思うが、文芸春秋にカイロ時代のクラスメートで、一緒の部屋に住んでいた女性の手記が掲載され、小池を痛烈に批判していた。正に人間性に悖る内容で、文芸春秋でこれ程批判されたら、小池はもう持たないだろう、と見ていたら、都庁職員の中で不穏な動きもなく、嘗て立花隆が田中金脈で角栄を追い落とした威力はもう文芸春秋には亡くなったのか、活字の時代はもう終わってしまったのか、と諦めていた処への石井さんの女帝・小池百合子である。

数日前の毎日新聞オピニオン欄に伊藤智永氏の「時の在りか」に「小池都知事の再選を危ぶむ」と題して、以下の文が掲載されていた。「女性評伝の名手である石井氏が、3年半かけて取材した新著は5月末刊行の「女帝小池百合子」。即重版の売れ行きらしい。一読、暗澹となる。400ページを越える長編で、何人もが次々と小池氏に同じ言葉をぶつける。「裏切者! ウソつき!」

これ等の非難は、阪神大震災被災者、水俣病患者、築地女将さん会メンバーからの切実な声だ。小池はご都合主義で、こうした団体に寄りそう振りをして裏切り続けてきた。梯子を外して、自身はとっととどこかへ行ってしまう。

今日の新聞書評にはこうも書いてあった。彼女を古くから知る知人は「彼女は白昼夢の中を生きている。願望は彼女にとっては事実と一緒」と。彼女の願望がどこにあるのかは知らない。或いはひょっとして女性初の総理を目指しているのかも知れない。彼女が知事に就任した時、数千億円もあった都の黒字財政は、今はもう殆ど底を尽きかけているという。彼女の欲望の為に都や都民が犠牲になってはならない。今度の都知事選は、表向きのPRに騙されず、都民は心して臨むべきだ。

 

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