ちゃおチャオブログ

日々の連続

愛媛(伊予一国)ドライブ巡礼(45)石手寺に参拝し、棕櫚のコケ落としを買って下山する。

  • 石手寺境内にはいろいろな建物があり、当方案内図を持ってなく、どの建物が何かは不明だが、ここは訶梨帝母天堂(カーリー帝女)と思われる。

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  • 訶梨帝母は日本に渡来して鬼子母神となった。

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  • 妊婦がここの石を持ち帰り、二つに分けて返すと、安産できると言われている。

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  • 古い食堂と思われる建物もある。

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  • 護摩堂は線香の煙でもうもうとしていた。

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  • 弁財天に向かう小径。

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  • 重文の三重塔。

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  • 境内を一人の巡礼者が横切っていく。

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  • 石手寺松山市内からも近く、道後温泉からは徒歩圏内にあって、巡礼者よりも一般の観光客、参詣客の方が多い。境内には国宝、重文が数多くあって、敷地も広く、松山市内観光のルートにもなっている筈だ。地元の正岡子規は当然としても、イギリス仕立ての夏目漱石も、旧制松山中学の英語教師として、この地に下宿していたので、1度くらいは参詣にやってきたに違いない。この二人の俳句の石碑も境内のどこかにあると思われるが、境内は広すぎて、自分には探すことは出来なかった。


大師堂の更に奥まった場所に艶やか中国美人風の絵画が掛けられた御堂があって、なまめかしい感じもするが、ここが重文の訶梨帝母天堂かも知れない。カーリー女、日本に渡来して鬼子母神となっている。しかし、ガイドも案内図もなく、間違っているかも知れない。納経所では初老の叔母さんが次々に差し出される納経本に忙しそうに印と真言を書いていて、とても途中に割り込んで、話しを聞く訳にはいかない。ぶらぶら当てずっぽうに建物を見て、写真を撮るしかないのだ。

そうした一般客に混じって、ここにも又白装束の歩き遍路さんがいた。この人は、昨日最後の霊場西林寺で会ったお遍路さんとは別の人だ。長い歩きのせいか、白い装束もやや黄ばんでいる。今日で何日目だろうか。境内を横切るようにして、背後の林の中へ消えて行った。ここから次の太山寺までは山越えの10数キロの遍路道。後ろ姿には気負いも、疲れも、希望も悲しみもなく、ただ淡々と自分の道を歩いて行く姿しか見えなかった。ここも又行基開基のお寺。白装束の巡礼者と行基菩薩が二重写しに見えてきた。

ここは人気のお寺だけあって、浅草の仲見世を小さくしたような仲見世通りがあって、左右合計で左右合計で20店舗程の店があるが、今はその殆どがシャッターを下ろし、空いているのは僅かに2-3店。その1店、高齢のお爺さんが一人で何か作業をしながら店番をしている。孤軍奮闘、一人頑張っている姿に興味を惹かれ、話しを聞くと、この店で約70年刷毛を作っているとのこと。仏壇用の毛刷毛と墓石用の束子刷毛。墓石の溝に生えたコケなども上手く取れるとのこと。1本1000円で、少し割高だが、ここで手作りして販売しているとのことで、1本買うことにした。これで由美子の墓を綺麗にしてやれば、本人も喜ぶかも知れない。

名前を聞くと重村さん。確か以前毎日新聞外信部に同名の記者がいたが、重村姓はこの辺りに多い名前か・・。10歳の頃から丁稚でこの店で働いていたとすれば、もう80歳以上か・・。何か、空海が入唐の折、寧波の港で干し椎茸を買っていた典座の故事を思い出し、この人は或いはこの寺の典座かも知れない、と思った。話によればコロナのせいもあるかも知れないが、この仲見世はもう何年もこうしたシャッター通りになっていて、開くのは年末年始、例大祭の時位と言う。日本人の間から宗教心はどんどん失われていく感を強くした。門前を流れる石手川の支流に架かる渡らずの石橋を見て、この寺を後にした。

 

  • 大講堂乃至阿弥陀堂の裏山へ消えて行く巡礼者。これから10数キロの山道を越えて、次の太山寺に向かうのだ。

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  • 各種、各人の句碑、石碑なども沢山あった。

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鎌倉時代建立の国宝の山門(仁王門)。

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本堂、ご本尊薬師如来に挨拶し、寺を辞す。

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コロナ禍のせいか、いつもなのか、門前の仲見世シャッター通りになっている。

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そのシャッター通りに僅かに2-3軒店が開いていたが、刷毛の製造販売の店があった。

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  • 店主の重村さん。御年80歳。お土産に墓石の棕櫚の刷毛を1本買っていく。

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  • 渡らずの橋を渡らずに、寺を出る。

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