前神寺は石鎚山岳修行の根本道場だけあって、参道入り口は厳かな雰囲気だ。
石鎚山の麓、静寂が漂っている。
見上げるような長い石段にげんなりする。
今回の四国巡礼、伊予一国巡りは、この三角寺で最終となる。四国中央市の山中にあり、次の霊場雲辺寺の一つ手前に当たる。雲辺寺は八十八ケ寺の中で、一番高い山中にあり、行政上は徳島県内であるが、四国霊場の中では香川県、讃岐の霊場になっている。四国中央市は愛媛の東端にあり、直ぐ隣に徳島県、香川県の2県が接している。即ちこの三角寺は愛媛の東端にあり、伊予最後の霊場となっている。四国中央市とは聞きなれない市名であるが、この市は平成の大合併で伊予三島、川之江町、その他の町村が合併してできた市で、四国の瀬戸内に面した北岸のほぼ中央辺りに位置しているから、四国中央市と命名されたようだ。松山からも香川からもほぼ等距離に位置している。
西条からは国道11号線を高松に向かって東進し、全国的にも名の知られた新居浜市街を通り抜け、次の旧伊予三島に入り、その隣の旧川之江の町中を右折し、山中に入っていく。昨日今日参拝した仙遊寺、横峰寺同様、山中の寺である。市街に出て、山道を上っていく。道路は舗装されていて道幅も広く、仙遊寺、横峰寺よりも運転はし易い。高みに上るの連れ、周辺の視界も開け、四国北部、瀬戸内に臨んだ山野が見えて来る。周辺の山並みは温暖な気候らしく、果樹栽培が盛んだ。山中に人家も点在している。山道に入って凡そ20分、寺の下の駐車場に着く。
駐車場の周辺には数軒の民家がある。民宿ではないようだが、お寺の檀家だろう。寺の祭事には一番に駆け付けて行くに違いない。今日最後の石段。伊予一国、今までの霊場で一番長い石段のように思える。今期最後の霊場には相応しい石段ではあるが、今日は横峰寺から始まって、既に5ケ寺を参拝し、相当な距離を歩いた。長い石段を下から見上げ、意気消沈。最後の難関、ただでは完遂させてくれない。中段まで登って、漸く山門が見えて来た。この寺は標高460m程の三角寺山の中腹、360mの場所にある。途中で2回ほど立ち休みし、漸く登りきる。立派な山門だ。漸く境内に到着した。ここも又参詣者の全くいない、静かなお寺だ。
石段の途中で一休み。上の山門が漸く姿を見せて来た。
山門まで間もなくだ。
漸く山門だ。
最後の霊場の立派な山門。
長曾我部の兵火により、お寺全体が灰燼に帰したが、江戸時代に再興された山門。