ちゃおチャオブログ

日々の連続

秋山豊寛さんのこと。マスコミの偏見、偏向。

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 宇宙飛行士の毛利衛さん名前は小学生でも知っているが、同じく秋山豊寛さんの名前を知っている日本人は何人いるだろうか。秋山さんこそ毛利さんに先駆けて、最初の日本人として宇宙に飛び出た飛行士だ。当時彼はTBSの記者で、社内公募で選任され、旧ソ連で短期間の訓練を受けたのち、1990年、今から丁度31年前、ソ連の宇宙船で、日本人として初めて宇宙を9日間遊泳したのだ。

しかしその功績はマスコミでは大きく報じられず、その後の続報も少なかった。それよりもその2年後に飛んだ毛利衛さんの方が、マスコミでは大々的に取り上げられ、その後の後記事も、秋山さんがマスコミ界から殆ど無視された状態と比べ、各メディアにひっぱりだこで、最後は日本科学未来館館長にまで収まった。日本中が彼の赫々たる功績を称え、持てはやされた。

このマスコミ、メディアの扱いの違い、大きな格差、落差には自分は当時から違和感、マスコミに対する不信感を持っていた。即ち、官尊民卑

国がバックアップし、国の準公務員として米国NASAで訓練を受け、スペースシャトルで宇宙に飛び立った毛利さん。秋山さんの2年後とはいえ、そんな人、秋山さんなどいなかったかのように、毛利さんが日本を代表する宇宙飛行士として、マスコミ各界は大々的に盛り上げた。自分から見ていて、二人はマスコミにより作られた偶像とマスコミにより無視された英雄、として、対極にあるように見えた。

そんな世相に嫌気が差したのか、数年後秋山氏はTBSを退社し、福島に転居して、農業を始めた。それ以降、殆どニュースの場に出てくることはなかった。もう既に亡くなっていたと思っていたら、昨日の夕刊に彼の特集記事がでていた。

現在78歳。三重県大台町で農業をしているという。福島ではシイタケ栽培が漸く軌道に乗った矢先、例の原発で被害を受け、居住の田村町には住めなくなり、その後、転々としたが、しばらく後,京都造形大学に教授として招かれ、今は退任し、大台町で気ままな農家として、生活しているとのこと。奥さんもおらず、家族もおらず、単身で生活しているようだが、好きに生き、良い余生を過ごしているようだ。大台町はどこか分からないが、名前からして奈良の大台ケ原の近くの町だろう。

何が栄光の人生かは分からないし、人それぞれの捉え方で違う。当時マスコミから日本人初の宇宙飛行士として大々的に持ち上げられ、政府も後押ししたら、今とは全く違った人生を生きてきたかも知れない。それが彼にとってよかったかどうかは自分には分からない。多分、今の農業生活が彼の性分にあっているのだろう。家族はいなくても、作物を相手に、農業人として充実した人生を生きているとこの新聞記事から推察できた。日本初の秋山さん、頑張って生き切ってくれ。

 

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