ちゃおチャオブログ

日々の連続

紀の国訪問記(49)青岸渡寺から眺める那智の大滝。

  • 青岸渡寺の境内からは、向かいの山に落ちる大滝が見える。

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ああ、那智の大瀧だ。

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三重塔と大滝。実に絵になる。

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皆がやっていたように、自分も滝をバックに写真を撮ってもらう。

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落差133mの日本一長い名瀑那智の滝。ここ那智山青岸渡寺から正面の山、大雲取山から流れ落ちる一筋の滝。水量豊富で勢いもあり、一筋の幅広の帯が滔々と流れ落ちている。こちら青岸渡寺からは700-800m先の正面の丁度目の高さにある。熊野三山を参詣する目的の大きな一つがこの滝を見ることだった。

那智の大瀧、或いは那智御瀧。華厳の滝袋田の滝と並んで日本三大名瀑に数えられるこの滝を見にやって来る人は多い。この滝の素晴らしさは、写真とかテレビ映像で見知ってはいたが、何といっても実物を見ることに勝ることはない。日本人の多くが生涯に一度、富士山を見たいと思っている。テレビや写真、動画では何回となく見ている富士山も実際にこの山を見て、実物の富士の高さを見てみたいと思っている日本人は多いに違いない。新幹線で富士の裾野を通過し、一瞬でも実際の富士を見れば、その人にとって、もう二度と見なくてもその記憶は生涯思い出として残るだろう。

自分にとっての、この那智の大瀧は、多くの日本人が富士山に抱く憧憬と似ている。1200年前、多くの上皇が遥々ここまでやって来た。800年前、一遍上人もここにやって来た。一遍上人はこの地で修行し、生き仏になった。それよりも遥かに以前、神武天皇は東征の折り、熊野の那智の浜辺から山中に光り輝くこの滝を見て、霊感を感じここまでやって来た。その後、東征を果たすことができた。今眼前に見える大滝は3000年前の神武、いやそれ以前から同じように形を変えず今も流れて続けている。3000年間天変地異に冒されず今にある。

この寺にやってくる参詣者のほぼ全員は、境内の高台から滝をバックに写真を撮っている。良い思い出になるだろう。知人のネギさんは数年前観光でやって来て、同じようにこの滝をバックにしてプロの写真家に撮ってもらい、額装して今も居間に飾っているという。地方のお上りさんが皇居にやってきて、二重橋をバックに記念の写真を撮るように、この那智大社青岸渡寺にやって来る参詣者は、皇居前の記念写真と同じような感動で写真を撮って行く。知らず知らず両手を合わせ、念仏した。

 

  • 青岸渡寺からは遥か先に熊野灘那智の浜辺も見える。

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  • 那智山と対を成す大雲取山

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  • 神武天皇はあの浜辺から、この山の滝を見たのだ・・。

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  • この山中には30余の沢があり、60余の滝がある。それが全てここに集まって、那智川の源流となる。

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