76歳になる宮本信子さんを高齢者と呼ぶのは彼女に取って失礼になるかも知れないが、自分と同じ歳だから、まあ、容赦して頂く。ご主人の伊丹十三を亡くしてほぼ20年、暫く活動を休んでいたが、ここ数年再び映画に出演するようになり、今回山田洋二監督の「キネマの神様」主演で田中絹代賞を受賞した。「キネマの神様」は先日のNHK朝のインタビューに出演した原田マハ原作の作品で、原田もインタビューの中でこの映画のことにも触れていた。原田の父親が部類の映画好きで、彼女も大いに影響を受けたとの事。映画の中で宮本信子が原田マハ役をやるとは面白い取り合わせだ。
伊丹十三の突然の死は、自殺と言われているが、その真相は未だ藪の中ではあるが、生前の伊丹映画、「マルサの女」「ミンボウの女」「阿うん」等の中で主演を務め、大ヒットしたが、伊丹の死後長い間映画界から遠ざかっていた。それから10数年たって復帰し、徳島を舞台とする「眉山」に出て、その後、テレビドラマなどにもちょくちょく出演するようになり、今回の田中絹代賞を受賞した。主人の自殺から立ち直り、堂々の映画人として歳を感じさせない活躍をしている。お見事だ。
もう一人の高齢者、堀江謙一さんについては押しも押されぬ高齢者。御年83歳で、再び太平洋単独横断に挑戦すべく、芦屋のヨットハーバーから自身のよっとを米国サンフランシスコへ送る手続きを取った。60年前、23歳の堀江さんは単独無寄港で太平洋を横断したが、今回はその逆のコースで、母港の芦屋に辿り着く。
自分は75歳だが、既によぼよぼの老人だが、83歳になる堀江さんの元気ぶり、精神力、挑戦する意欲。何を取っても金ぴかの高齢者だ。是非、成功を願う。