ちゃおチャオブログ

日々の連続

2.18(金・晴れ)高木さんの眼光。

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試合前の高木さんは、いつもゆっくりと据え置き自転車を漕いで、体調を整えている。或いは単調なペダル漕ぎをして、精神を統一し、気持ちを高めているのか。どの競技前も同じようにゆっくりペダルを漕いでいる。その時の眼差しは鋭く、曇りがない。何かを見つめるでもなく、何かを考えるでもなく、ただ眼光だけが光っている。その眼光の中の心を覗くことは誰にもできないだろう。正面から見たら、誰でも射すくめられるだろう。

昨日の1000m、五輪最後のスピードスケート直前の眼光はとりわけ鋭かった。本来取れるべき金3つを奪われた。心に期すことは並みのものではない。何があってもこの最後のレースでは金を取るぞ、と。

その眼光の鋭さは、ラグビー五郎丸のキックの際のルーティーンの時に見せる眼光の鋭さ純粋さ、白鵬が瞬間に見せる鋭さ、武蔵の眼光は知らないが、多分戦う前の鋭さで相手を射透き、それだけで相手の戦意を失くしてしまうような、強さがあった。

彼女は自分自身を信じていた。このゲームには絶対に勝ち、金を取る、と。今思うと、その鋭さが彼女の眼光にあった。それがレース後、最高の滑りをし、五輪記録も出し、金メダルが確定した時、顔が崩れた。張りつめていた心の鋼が溶けたのだ。試合後の言葉「内臓が壊れてしまう程、苦しかった」。どんな苦しい戦いだったかは自分には想像もできないが、内臓が壊れる程の全身全力を振り絞って勝ち得た金メダル。ギリシャ、マラソンの勇者は、ペルシャとの戦勝を伝える為に42キロを死に物狂いで走り、アテネに着いた時に倒れて死んでしまった。高木さんの言葉は、そんなギリシャの勇者の故事を思い出す。ここで又世界に誇れる日本女性が誕生した。心より、嬉しい。

 

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