ちゃおチャオブログ

日々の連続

4.23(土・晴れ)無茶な出航、26人絶望。

 

 

初夏の陽気の暖かさ。外気は30度近くまで上がっているだろう。2‐3日前はストーブが欲しくなるような寒さだったが、昨日、今日は一転初夏の暖かさだ。寒暖の差は大きい。

 

本州は好天だが、北海道は天気が荒れている。知床半島を周遊する観光船、26人の客と船長、甲板員の合計28人の遭難死。海保が海と空から捜索を行っているが、全く痕跡も掴めない。殆ど絶望だ。子供も二人か三人乗船していたという。大人の我儘により、幼い命も奪うことになった。

そもそも船長が悪い。或いはこの観光会社の社長か。利益を優先させた結果、悲惨な結果になった。お金には代えられない命。社長も船長もその基本がなおざりにされていた。観光船だから、精々100トンもないだろう。100トンもない船が波浪3mの海に入って行けば、どうなるかは船長は分かっていた筈だ。大事なお客を預かるからこそ、中止にすべきだった。仮に遠方からやってきた客の要望が強かったとしても、船長権限で出航はストップすべきだった。

報道によれば、船の前部が浸水し、前に傾いているとの緊急通報が海保にあったようだ。高い波に向かって船首を直角に向けることは、横波を受けて横転しない為にも、荒海では当然のことだ。だが、波との強い圧迫、圧力で、船首部分が破壊され、浸水した。小さな船で浸水が始まれば一たまりもない。船長は、もっと早い段階で海保への救助要請ができなかったのか。残念でならない。

山の遭難も、無理な日程で、折角遠方からやってきて、もう一度出直すのは中々大変で、悪天候にも拘わらず登山を強行し、遭難する例は後を絶たない。諦める勇気がなかったからだ。ダメなものはダメ。その時は運がなかったと諦めるしかないのだが、遭難者はそれは受け入れられなかった。

今回の知床沖遭難も、諦めの付かない面々、社長、船長、観光客の共同意識の中で、中止ができなかった。先週、壱峻島から対馬へ1800トンのフェリーで渡ったが、その時の波は高かった。それでも2-3m程か。1800トンの船が揺れ、船底をドシン、ドシンと波が打ち、気持ちの良いものではなかった。これだけ大きな船だから、転覆することはないと思っても、心配にはなった。100トンにも満たない小船なら、揺れも相当なもので、小さな子供、大人の乗客も恐怖にかられただろう。遭難ベストは皆装着していたとの報道だが、避難用のボートも積んでいなかったのか・・。全員が船と共に、海の藻屑に来消えて行ってしまった。楽しい筈の観光が、全く悲惨なものに変わり果ててしまった。罪は大きい。