ちゃおチャオブログ

日々の連続

7.8(金・晴れ)ジョンソン首相辞任、安倍元首相、暗殺未遂。



 

稀代の大胆男ジョンソン首相が窮鼠極まって、自身をかみ殺す羽目になった。現職大臣が二人も辞任し、政府幹部の50人が辞職を表明。首相の退任を要求した。オックスフォードを出た秀才で、ロンドン市長も務め、3年前、女性首相メイの後任として首相就任。行動派で、来日した時も、バスケのバックシュートで見事にゴールを決めている。

ブリクジットやコロナ対策、今回のウクライナ戦争でも、危険を顧みず2回も首都キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領、ウクライナ国民を勇気づけていた。G7の中でも反プーチンウクライナ支援の最大の旗振り役で、ゼレンスキーとしても彼が退任することは痛手だろう。

国外から見たらジョンソンは斜陽英国の屋台骨を持ち上げる頼もしい首相に見えたが、国内では不人気だった。コロナ対策での行動自粛を国民に指示した中での身内のパーテイ。最初から謝罪していれば、大きな波乱にはならなかったかも知れないが、嘘を付き通した。その嘘も最後にはバレてしまって、窮極まった。英国での政治家にとって、嘘は最大の敵だ。国民に対して嘘を垂れ流し、後で判明したら、政治生命は絶たれる。この状況の中でジョンソンが辞任したのは、当然の結果だったかも知れない。特にロシア、プーチンがフェークの嘘を平然と垂れ流す現状を見ていれば、その嫌悪感は国民に増幅しただろう。

 

国会の場で平然と噓を垂れ流した首相も日本にいた。安倍元首相で、首相在任中自分や妻に少しでも係わりがあれば、首相も国会議員も辞める、とまで公言した人物が、辞めもせず、首相退任後は自民の最大派閥の長として、政界に大きな影響力を行使し続けた。英国の対応と比較すると、日本の国会議員、選挙民の如何に低劣かはこの一事を見れば歴然だ。

その元首相が今日の昼前、奈良西大寺駅前で41歳の暴漢によるショットガンで銃撃され、5時現在、意識不明の重体になっている。奈良医大病院にドクターヘリで緊急搬送されたが、現時点で心肺停止状態だと言う。事件から既に5時間経過。蘇生回復は困難だろう。現時点では暗殺未遂だが、夜半には既遂に代わる可能性は大だ。

41歳の犯人山上は、奈良在住と言うから、元首相が遊説で奈良に来ることを知っていて、犯行に及んだのだろう。従って背後関係は無いと思われる。個人的な短絡的な殺人で、昨日仙台の住宅地であった中学生2人へのナイフ殺傷事件の43才無職男と、似たような動機で、事件を起こすこと自体が目的だった。その対象がか弱い中学生か、最高権力に近い政治家という違いだけであって、行動目的は変わらない。

それにしてもお粗末なSP体制。要人警護の用を成していない。こうした街頭演説では、如何なる人物が聴衆を装って近づいてくるのはいつでも有りうることだ。SPはそうした不審人物の些細な行動、所持品等に鋭い監視の目を向けなければならないが、砲身の長いショットガンをぶら下げ、元首相の背後の直ぐ近くまで近づいた男に、殆ど注意を払っていない。犯人は2発発砲した。最初の発砲から2発目には数秒のタイムラグがあった。1発目にSPの誰かが即座に反応し、大声を出して静止の行動を取ったなら、驚いた犯人は2発目は或いは外したかも知れない。状況ではどうも1発目を外し、2発目が当たったようだ。今回の事件、SPの機敏でない対応が悔やまれる。

 

それにしても政治家の一大事が市場に与える影響は随分と小さくなった。昨日のロンドンでは辞任表明にも拘わらず大きく上昇し、1%以上の上げ、今日の東証も、12時半、元首相銃撃の報道があっても、指数は大きな変化はなく、全く重大事件など無きがごとくの推移だった。だが、終了3分前に急速に萎み、それまでの100円以上の上げから急落し、最後は26円高まで落ち込んだ。これは暗殺未遂に反応したというより、今晩の米国雇用統計発表に警戒した為だろう。仮に今晩死亡したとしても、雇用時計の数字が良ければ、月曜日には東証も又大きく跳ね上がるだろう。7年半首相の座に君臨し、自由に振舞ってきた最高のTiranyもその座を降りれば、タダの人に近い存在になった、と知るべきか・・。