ゾンビは現実に存在する。元東京都知事、猪瀬直樹が鳴りを潜めて10年、元の小説家に戻って、しこしこ小説でも書いているかと思っていたら、今度の参院選で維新から出て、国会議員になった! 過去の亡霊が又舞い戻った感。彼の三島由紀夫をモチーフにした「ペルソナ」は良い小説で、自分としても評価はしていたのだが、こんな形で、又政治の場に足を踏み入れたのは、残念と思うしかない。
最悪のゾンビは統一教会。20-30年前、悪徳商法、霊感商法で、多額の上納金を信者から集め、歌手の桜井淳子を広告塔にして、何万人もの善男善女を競技場に集め、教会の決めたカップルで無理やり強制結婚をさせた非人道的儀式は、正にカルトで、唖然とさせられたが、各方面からの批難、反感を受け、この教会はその頃、当然解散させられ、消滅したかと思っていた。
それが昨日、この統一教会から名前を換えた日本教会の会長、田中なるものが、記者会見し、暗殺犯、山上家族の献金問題について釈明していた。再びの唖然! このカルト集団がまだ生き延びていたとは! これまで日本の官憲、政府は何をしていたかと! 信教の自由があり、宗教の弾圧は厳に慎まなければならないことだが、数々の悪徳商法、破産家族、裁判問題を抱えたこの新興教団は、宗教の名を借りた詐欺師集団で、オーム同様、解散させ、次なる犠牲者を生じさせないことが政府の役割だった筈だ。
この30数年間、数千億円にも及ぶ上納金を日本の信者から集め、その大半を海の向こうの韓国に持ち運び、日本信者を犠牲にした上での本部幹部の贅沢三昧。こんなことを今まで政府が許して来たこと自体、信じられないことだった。
あろうことか、時の総理安倍晋三は、この犯罪集団、詐欺まがいのカルト教団にビデオメッセージを送り、祝福していたとのことである。それを見た山上暗殺犯は家族破滅の元凶である統一教会を応援する安倍元総理に対し、強い殺意を抱くようになった。結果、遊説中に暗殺されることとなった。これは因果応報であり、自業自得の結果であった。
元総理は票の為には何でもやった。桜を見る会、広島河合議員への裏金支援、森友学園問題、等々。妻と自身が少しでも係わりがあれが、議員も総理も辞めるまで公言してたが、結果、今日までうやむやの中で、内閣は代わり、時は過ぎた。もうほとほと国民の間からは忘れ去られた過去の問題になりつつあった。そこへ持ってきての今回の山上容疑者の暗殺劇。全く藪から棒の、政治的主義主張とは全く関係ない個人的恨みの暗殺ではあったが、それは安倍自身が招いた結果でもあった。
国政を預かる政治家たる者、常に身綺麗で、元総理の好きな言葉で、国会の場でも何回ともなく発言していた「李下に冠を正さず」を安倍氏自身が言葉通りに行動していれば、今回の暗殺劇は起こり得なかった。総理自身が犯罪集団に加勢するような言動を取った結果の今日の暗殺劇だった。天網恢恢疎にして漏らさず。奇しくもこんな形で、言行一致を見ることになった。トランプから誘わた云々を後知恵で言う向きもあるが、そんな言い訳は通用しない。結果がその答えである。
山上暗殺者の行動を天誅とは言わない。しかし、彼の心の中では、元総理を暗殺することにより、このカルト集団への天誅を加えた、と思っているかも知れない。昨日は又数十年ぶりにテレビに現れた紀藤弁護士。統一教会被害者団の担当弁護士だが、未だにこの被害者集団の被害回復、救済に努力しているという。今まで政府は何をしていた! これ等犯罪まがいの教団を守る為に事件から4日間も報道規制をして、教団名をあかさなかったのか! トンチンカンにも程がある。1日も早く、こうした外国由来のカルト集団は国内から排斥すべきだ。それが国民の生命財産を守る政府の役割だ。肝に銘じよ。