清水坂の途中、八坂の塔へ行く路地があるが、今の自分にはとても寄り道できる脚力はない。
この辺りから両側に土産店が立ち並ぶ。
下の駐車場からも高校生の一団が登ってやってくる。
二年坂、三年坂に向かう路地だ。
京都はぐるりと四周を山に囲まれた盆地の町で、夏はゆで窯のように暑く、冬は鍋底のように冷え冷えと底冷えのする町だ。その中で、都の東側にある山が東山連山、時代劇などで東山三十六峰と呼ばれる山の連なりだ。北側の比叡山から始まって、祇園神社の後ろにある丸山、京都護国神社のある霊山、この麓の見晴らしの良い場所には坂本龍馬の墓地もある。それから今坂を上がっている清水坂の後ろの山が清水山だ。この連峰の一つ大文字山の中腹には旧暦お盆の頃の五山の送り火が有名だ。10数キロ連なる連峰の南端のほうにあるのが清水山で、高さは250mも無く、元気な人なら良いハイキングコースにもなっている。
その低山の麓にある清水寺。昔から清水坂と言われているように、地下鉄駅からは約2キロ、勾配は緩やかだがだらだら坂がずっと続いている。その途中に六波羅蜜寺があって、参拝を兼ねて足を休めることもできたのだが、そこを出て又更なる登り坂で、歩行は大変だ。坂の途中、左手に八坂の塔が見え、路地の先に重文の五重塔が古めかしく建っていて、足が元気な頃だったら、清水寺にお参りする前にちょいと一っ走り、往復もしたくなるのだが、ここまでやって来るまでが大変。今はとてもそんな元気はない。
この辺りから参道の両側には土産店が立ち並ぶようになって、多くの観光客が店の出入りをしている。土産店の間にはレンタル着物店もあって、若いお嬢さんが品選びなどをしている。この界隈に何店のレンタル店があるか知らないが、1回に付き6000円、1日500人からの人がレンタルすれば、売り上げは30万。コロナが解禁され観光シーズンにでもなったら毎日1000人以上の人々が利用するだろう。又、道路脇には人力車が客待ちしていて、客とのコース交渉をしている。チョイ乗りで3000円から。数時間を掛けて界隈をぐるっと一周したら、軽く1万円は越すだろう。観光業者には漸く春がやってきたとの感じだろう。
清水坂を上り詰めた正面に朱色の山門が建っている。広い石段の下が広場になっていて、沢山の高校生グループが写真を撮ったり、土産店にはいったり出たりと賑やかにしている。久し振りに見る観光地の賑わいだ。2年半ぶり、京都に元気が戻って来た感じ。今の処まだ外人観光客の姿は見えないが、入国制限が外れ、ガイジンが自由に日本に来れるようになれば、今に倍する高校生や外人客で、この辺り渋谷スクランブル並みの賑わいになるだろう。広場の手前に軽飲食店があり、この先更に石段を登って行く英気を養う為にも、丁度良い、一休みしよう。
土産店にも客が入っていて、着物姿の男女も見える。
前方に清水寺山門が見えてきた。
いやー、ここへ来たのは何年ぶりだろう・・。もう半世紀ぶりか・・。
まだコロナ解禁前だが清水寺はすごい賑わいだ。