大相撲5月場所。横綱土俵入りは初日だけで、2日目の昨日から早くも休場。初日に大の里に突き飛ばされた内容を見ていると、どこか身体の具合が悪かったのだろう。無理して出て来たのか‥。1年6場所、15日を通して相撲を取ったのは1場所しかない。もう身体はガタガタなのだろう。理事長も、15日間完売のチケット販売には謝っていた。
横綱は連続休んでも下に落ちることは無いが、大関以下は休んで負け越すと、番付は下がってしまう。時間があるので殆ど毎日相撲を見ているが、十両にはいつの間にか落ちて来た関取がいる。あれれ、と思う力士もいる。その筆頭は遠藤で、地震のあった石川県、穴水出身で、震災者を元気づけるのは頑張ってもらわなくてはならないのだが、身体が言うことを聞かないのかも知れない。
10年程前、幕内に駆けあがって来た頃には、相撲の上手さで大関、横綱も間もないと思われていた。しかしケガが災いして、小結が最高位で、後は前頭の上と下を行ったり来たりしていたが、今場所はとうとう十両に転落してしまった。
相撲こそ実力の世界。いや、相撲に限らず、スポーツ全般、勝てば官軍、負ければ賊軍の世界で、己の力で栄冠を勝ち取り、負ければ消えていく。遠藤もケガに泣いて、相撲の世界ではもう既に高齢者、峠を越した。今から又這い上がって3役に戻ることは無理だろう。
先場所、新入幕初優勝を103年ぶりに記録した怪童、尊富士も最後の優勝決定戦で足を痛め、今場所は初日からの全休。ケガさえなけれな前頭上位に上がって、今場所も好成績なら3役も直ぐにも手が届いた筈だが、結局又十両から這い上がって来なければならない。ケガは力士に取っては大敵だ。
もう10年になるか、幕尻の徳勝龍があれよあれよいう間に連勝を重ね、館内を沸かせて優勝し、次の番付には前頭3枚目位まで上がったが、その後の成績は芳しく無く、前場所のようには上手く行かずに何時の間にか十両に落ち、暫く十両に在籍していたが、その十両からも落ちて幕下に下がり、今年になって土俵を去って行った。相撲界に入り、優勝できる力士はごく限られたトップの力士だけだが、彼はその栄誉を受けたが、その後の精進がなかった。
十両の番付表を見ていると、ひと頃幕内で鳴らした実力者が勢ぞろいしている。妙義龍、千代翔馬、大奄美、輝、若隆景、島津海、英の海、等々、皆知った顔ぶれだ。この中から何人が、誰が又幕内に這い上がって来るのか、それともそのまま廃業していくか・・。相撲界ではもう皆ロートル、そのまま廃業していくのだろう。
実力で勝負する世界はシビアだ。それは競争社会ではどこでも言えることだ。嘗ては世界に冠たる亀山ブランド、液晶テレビのシャープが9月いっぱいでテレビ製造から手を引く。世界のトップを走っていた会社も、後発の中国、韓国勢に追いまくられ、毎年の赤字を垂れ流す結果になって、これ以上の傷を深くして致命傷になる以前に足を洗ったのだ。これで国内では、テレビを製造する会社は無くなってしまった。淋しい限りだが、これも実力の世界だから、日本の実力が落ち、もう既に世界に通用しなくなったのだ。
実力で勝負する。す者世界もどこの世界も、厳しいものだ。