国道沿いの駐車場に車を止めて、定山渓温泉場まで歩いて行くことにした。
この温泉場にやって来るのは初めてだ。
もう遅いと思っていたが、まだ尚紅葉は真っ盛りだ。
初めてやってきたが、随分と賑やかな温泉場だ。
以前ここ定山渓へ来た時は北海道の100名山に登ることが目的で、前の国道を通り過ぎただけで、温泉場の中までは入って行かなかった。国道脇に車を止めて、温泉街を眺め、ここへは何時か来ることはあるかも知れない、その時はゆっくり温泉へ入って見よう、と淡く考え車を走らせた。
今日は温泉旅行ではないが、駐車場に車を止めて、ゆっくり温泉場を歩くことにした。機会があれば日帰り温泉も入って見たいと思った。駐車場からダラダラ坂を下って温泉場の谷川まで降りると、そこに架かる橋の上からの紅葉が見事だ。谷川の両崖を覆うように紅葉が燃えている。10月下旬になってもまだこれ程紅葉が残っている。11月の秋川渓谷、檜原村へ行く途中の渓谷美を思わせる。
橋を渡る時、白虫が白い粉雪のように降り注いでくる。無尽蔵に降って来る。この微生物は今頃の季節に大繁盛するようだ。その粉虫と同じくらいにタイ人観光客が多い。あちこちで小人数のグループを作ったり、二人連れのペアだったり、全くこの町がタイ人に占領された感じだ。
橋の上の方に小公園があり、そこには足湯もある。沢山のタイ人の間に混じって足を漬ける。タイ語で一言二言挨拶し、日本へようこそ! タイ人もタイ語を話せる日本人に遭って喜んでいた。久し振りに話したタイ語。殆ど錆びついてはいたが、それでもタイ人を喜ばすことができてよかった。皆との集合時間がやってきて、橋の袂の集合場所に向かう。この温泉街の突き当りに神社があって、興味深い穴倉もあるとのことだったが、その僅かな坂道を上がって行くのも大変で、稲さんには駐車場まで車を取りに行ってもらい、この橋の袂で待つことにした。
橋の上の小公園の中にある足湯に浸かる。周りは全てタイ人観光客。彼等に取って北海道がこれ程のブームとは!
日本人は泊まらなくても、タイ人の何人かは宿泊しているかも知れない。タイ人様様だ。
温泉場の突き当りには神社もあったが、坂を登るのも大変で、遠くから遙拝した。
もう再び来ることもないだろう定山渓の紅葉を堪能した。