北海道神宮正面の参道。長いアプローチが印象深い。
本殿に一礼し、宮を後にする。
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紅葉している樹木も多い。
樹木の多い北海道神宮の境内。多くの針葉樹はまだ緑のままだが、そんな中に見事に紅葉している喬木も何本か見える。神宮らしい境内の装いだ。裏側の駐車場からやってくる参詣者の数も増えて来た。そんな中で子供が七五三祝いの衣装を着た家族も参拝に来ている。父親は外人の顔立ちだが、その父親も子供と一緒に紋付の和服姿だ。日本人の母親は当然ながら、晴衣装だ。日本女性と結婚し、この札幌に居を構え、生活にゆとりがあって、日本の文化伝統に親しんでいる。家族には失礼かと思ったが、珍しい光景だ。密かに写真を撮って、境内を後にする。
来た時にも気が付いたが、参道の途中に六花亭の建物があり、中でケーキなどと一緒にお茶も飲めるようだ。建物の後ろに休憩用の長椅子なども置いてあり、そこで一休みして参道出口に向かう。出口付近には拓殖銀行殉職従業員を祀る神社、又は北海道開拓に殉じた聖霊を祀る神社など、幾つかの摂社が並んで建っている。矢張り北海道は開拓の大地だ。ここにある摂社は、内地の天孫降臨の御霊を祀るとか、国作りや産土神を祀る神々ではなく、北海道が拓かれて以降の開拓にまつわる御霊だ。大きな境内のどこかにはあるかも知れないが、内地の神社によくある忠魂碑は見当たらなかい。北海道は何事につけ、新しい土地なのだ。開拓150年の歴史の凝縮だ。
山道の緩やかな石段を下り、この右手奥に向かえば円山の登山口になるのだが、そこまで行く元気もなく、そのまま公園を取り過ぎ、地下鉄駅に向かう。これからもう一カ所、ススキノの凄惨現場へ行かなければならない。このススキノのホテル街で、半年前、首切り殺人事件というおぞましい事件が起きた。札幌へ来た折には、もし時間があれば、そのおぞましい現場を見ておきたかった。地下鉄駅に向かう階段を下りる直前、住宅地の向こうの右手にこんもりとした森が見えた。ああ、円山の裾野に当たる森だ。20数年前の山歩きを懐かしく思い出した。
ああ、珍しい。外人家族の七五三祝いだ。
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参道の途中には六花亭の休憩所もある。
地下鉄駅に入る直前、右手に円山の裾野部分が見えた。