北茨城の大津港と言ったら、鮟鱇で有名な港だ。季節になるとこの港の沖合の福島沖で鮟鱇が取れ、あんこう鍋を食べに遠方からもやってくる。以前、この先にある五浦へ行った時、国道の下に見えた港があった。
昨日、その港を母港にする小さな漁船が銚子沖で横転し、沈没した。乗組員20数名、中にはインドネシア人も数名含まれている。漁業実習性、研修生の名目でインドネシアから連れてこられたのだろう。
3隻の漁船で船団を組んで鰯を捕っていたのだが、余りにも大量のイワシが網に掛かり、その重みで船体が傾き、横転したのだ。以前にもこの海域では似たような横転事故があったが、過去の経験は生かされなかった。近くに僚船がいて、多くの船員は助かったが、二人が死亡、3人は尚不明だ。沈没した船中に取り残されたのかも知れない。犠牲者の中にインドネシア人がいるかどうかは、現時点では報道では明らかになっていない。熱帯の国の若者が、お金のためとはいえ、冬の漁船に雇用され、冷たい海に投げ出された。インドネシアの留守家族の願いが届いてくれればよいが・・。
人口減少の日本、漁業、農作業、キツイ汚い臭い3K作業に限らず、いろんな分野で外国人の力を借りなければ、国が成り立たない状態になっている。個人所得では去年韓国に抜かれ、間も無く台湾にも抜かれるが、そうした凋落日本でも、東南アジアの中進国から見ればまだ稼ぎ場になるのだろう。
今年はイワシが豊漁だ。去年の半値以下の値段だ。漁師も大量に獲らないと生活が成り立たないのも知れない。一方で昨日の豊洲初セリ、大間のマグロ270キロが2億を越えている。こんな所にも日本人の消費動向、一方の大金持ちと、安い鰯の塩焼き。上下の格差が広がっている。
寒い今日、魚力に出て漁価を見る。刺身は全般に上っているがイワシは安い。サンマに代わって今年の庶民の味方だ。平安時代には紫式部も好んで食べた高級魚だったが・・。ナマコもあった。エビはアルジェンチン産だ。養殖に違いない。さて今日は東証も大きく上げて、4万円を回復した。これから熱燗だ。