後10日後に就任式を迎えるトランプ、その言動が激しさを増している。最近ではパナマ運河は米国が作り、パナマに与えたものだが、中国の影響が強くなり、米国に危険だから返してくれ、と返還を求める。太平洋と大西洋を結ぶその大西洋側にあるメキシコ湾をアメリカ湾と名前を変更するようにごり押ししている。「アメリカ湾」は何と美しい名前だ!」と自己陶酔している。
カナダのトルドー首相には米国の51番目の州になれ、と前々から強要し、最近はその要求が更に激しくなってきた。先週もトルドーがマールアラーゴへ表敬訪問した際も、その話で持ち切りで、今やカナダの総理を首相とは呼ばずに、州知事扱いにしている。
追い詰められたトルドー、精神的に悩んだのかどうなのか、遂には総理を辞めると言い出し、自由党党首も辞任した。メキシコもパナマもカナダも米国のお膝元だから、トランプ大魔神の威光たるや燦燦たるものである。
今度は矛先を北大西洋、グリーンランドに向けて、この島は戦略上重要だから、アメリカに譲れと、デンマークにごり押しをしている。言う事を聞かないなら、貿易で痛い目に遭わせるゾ!と。小中学校のガキ大将よろしく、小国デンマークに腕白を振るう。
これを見かねたドイツシュルツは、流石に黙っていられず、国境線は力で変更すべきではない、と言い放った。フランスも同調し、EU全体でトランプに対抗していくようだ。
大国だからと言って、言いたい放題、やりたい放題が許される訳ではない。そこには当然国際社会の秩序が求められるものであり、物事を武力で解決しようとするロシア、イスラエルなどは白い目で見られ、排除される。トランプの傲岸不遜な振る舞いに一人ほくそ笑んでいるのはプーチンで、内心ではもっとやれ、もっとやれ、と密かに応援しているだろう。世界が混乱すれば混乱する程、自分に利ありと。似た者同士で、仲が良いのは見なくても分かる。
トバッチリが日本に向かって来ないことを願う次第だが、今日からマレーシア、インドネシア、外遊に出かける石破総理、出発前に礼の日鉄USS買収問題に、米国政府への不信感を表明し、日鉄裁判は妥当だと、主張する。今まで米国政府を表面から批難し、攻撃した総理はいなかったが、偉いぞ石破! 一民間企業が米国政府を訴える位だから、日本の総理が国として米国を訴える位の意気込みで、頑張れや!