傍若無人で滅茶苦茶な男。それはトランプだ。世界最強国の大統領になり、天下を取ったように、世界の支配者として君臨する。力を武器にし、やりたい放題。昨日までの法の支配はどこへやら。気に入らない相手に対しては、武力でねじ伏せようとする。その力の前に既に屈服した国も何カ国かいて、更には追従、応合しようとする国も出て来た。寄らば大樹の陰。黙って付いて行けば損はないだろうと・・。
昨日ネタニヤフが初の外国首脳として訪米し、共同記者会見に臨んだが、その面前で飛んでもハップン、驚くべきことを喋った。現在のガザを米国が支配し、そこに住んでいたパレスチナ人200万人を追い出し、全く新しいリビエラのような高級リゾート地にすると言うのだ。追い出されたパレスチナ人はエジプトシナイ半島の砂漠地かレバノンの荒地に追いやると。隣でネタニヤフは神妙な面持ちで話を聞いていたが、内心ほくそ笑んでいただろう。
このプランは既に1年以上も前、娘イバンカのユダヤ人女婿がそんな夢のような話をしていたことでもあり、今回トランプは公の場で公表した。人を人として扱わないトランプの滅茶苦茶な発言に世界は仰天し、猛烈な反発が起きている。大体トランプは勝手すぎるのだ。娘とその婿を喜ばせるために、こんな途方もない法外な夢物語を持ち出し、戦いもできないパレスチナ人を力でねじ伏せようとしても、周りは黙っていない。強硬でもしようものなら、本当にこの場所、中近東が第3次大戦の発火点になりかねない。
トランプ周辺は火消しにやっきになっているが、一度灯されたトランプの心の内の火種をどこまで消すことができるのか・・。今日ワシントンに飛び立ち、明日トランプとの初めての会談に臨む石破総理。野に放たれた暴れトラを如何様に手なずけるか・・。かなり無理な難題ではあるが、法外な要求だけは押し付けられないように、心して臨んでもらいたい。