上醍醐、宝生池までやって来た。
池の向こうに三重塔が見える。
以前、紅葉の時に来たが、実に見事な取り合わせだった。
池の前で暫し休み、下山する。
今日の巡礼はここ醍醐寺が最後だ。足は相当に疲れているが、もう少し頑張って上醍醐まで足を延ばそう。以前、紅葉の頃この寺に来て、池に映える素晴らしい紅葉を見た。池を縁取る紅葉の紅とその奥にひっそりと建つ三重塔の朱色。そのマッチングは極楽の世界を思わせた。今は9月で紅葉にはまだ早いが、少し上の高台にあるので、或いは一部に紅葉も始っているかも知れない。
准牴観音堂での御朱印を頂き、上醍醐までの緩やかな登り道を歩いて向かった。コロナ禍とは言え、観音堂、五重塔周辺には何人かの観光客、参詣客の姿も見えたが、ここまでやって来る人はごく少ない。元々静かな境内だったが、ここは皆無だ。池とその奥の三重塔は以前のままにそこにある。細身の噴水だけが静かに水を噴き上げている。昔のままだ。天上天下唯我独尊、はお釈迦様が生まれた時に発した言葉だが、今ここに一人立つと、そんな思いにもさせられる。
池の前にある以前休んだ四阿もこのコロナ禍で休業中だ。池の前にベンチがあり、暫し休み瞑想する。秀吉の頃の醍醐の桜を想像し、多くの大名、女房もここへやって来て、放生池の真鯉を愛でたであろう。桜の季節の醍醐も見事だが、だが、紅葉の頃の池の見事さには敵わない。この寺には過去3度来た。内2回は桜の季節、それと紅葉時。それぞれ思い出に残る参詣だ。この歳、この足ではもう4度目はないだろう。三重塔に別れを告げ、下山することにした。
本堂に遠くから遙拝。
この辺りも以前とは様子が違う。何か、災害か火災でもあったのか・・。
漸く山門が見えて来た。
大きくて、立派な山門だ。