ちゃおチャオブログ

日々の連続

4.9(水・晴れ)最後の桜。吉野1000本桜。



 

各地で桜が満開だ。テレ朝コメンテーターの玉川徹、今週1週間は休みを取って、故郷の仙台へ桜花見に行っているようだ。自分はもう遠出はできない。隣町の井之頭の桜を見に行くこともできないし、同じ市内の小金井公園までも足を延ばすこともできない。

 

今週日曜日は野川公園の植物園まで行き、その途中で桜を見てきたが、今日は西側の森林公園の方へ行き、最後の花見をする。本当は東八道路の向こう側まで足を伸ばしたいのだが、もう無理だ。野川の東八道路北側の左右の公園の花見が出来ただけでも満足だ。来年はもうここにはいないかも知れない。約40年、毎年見続けて来た野川の桜だが、今年で最後になるだろう・・。

 

桜をこよなく愛でた西行法師。死んだのはその和歌にあるように、大阪河内の弘川寺で桜の満開の中で死んで行った。桜を求めて各地を歩き、桜を愛でる。丁度今のTV朝日の玉川のようだ。桜前線と言うように、その土地の気温に従って、桜は北上する。以前、5月の連休に札幌を訪れたが、同庁の庭園は里桜の満開だった。

 

西行がいつの頃吉野の山奥に庵を結んだのか、自分には定かな知識はない。だが、その頃から既に吉野は桜の山だった。鳥が運んだ桜の実から山全体が桜に覆われていた。自分が吉野を訪れたのは丁度その桜の季節で、車を下の駐車場に止め、下から歩いて登って行った。

 

吉野の千本桜。下千本、中千本、上千本と言われているが、本当に実に全山が桜の山だった。桜が緯度によって日本列島を北上するように、ここ吉野では高度によって桜の開花が上に上がって行く。自分が行ったのは時期は何時だったか定かではないが、多分、中千本の頃だったと思う。

 

金峯山、蔵王権現にお参りし、吉水院で一休みし、更に上に登って行くと、目の下に吉野1000本桜の丘が波打っている。更に花矢倉まで来ると、もうそこは絶景だった。過去花の名所を幾つも歩いていた訳ではなかったが、この絶景には多分西行も桜の虜になったのではないかと想像した。

 

それから更に山を登り、分水嶺の水まくりまで来ると、もうそこには桜はなく、高野槙の樹林帯を歩き、その行き着いた先に西行庵があった。当時は足も元気で、この程度の歩きは全く苦にはならなかった。そこは既に熊野の聖域で女人禁制の立て札が立っていて、ここから先は大台ケ原に抜ける熊野詣の巡礼道に繋がっていた。いつか機会があったら、この巡礼道を歩いてみたいと思っていたが、その機会は来なかった。吉野千本桜。もう2度と行くことのない、桜の思い出の地だ。