今日はイースター、キリストの復活の日だ。キリスト教国はどこでも今日の日を祝う。プロテスタントもカソリックもロシア正教も押しなべて今日は祝日だ。プーチンは今日の祝日を祝って、明日午前0時までの36時間のイースター停戦を宣言した。それに呼応してウクライナ側も同期間、戦闘を止める宣言をした。ロシアもウクライナも同じギリシャ正教だから、同じように復活を祝福する。
しかし卑怯なのはロシアで、こうした停戦宣言をつつも、現場では相変わらず攻撃を繰り返している。去年は停戦はなかったが、2年前の停戦時、その宣言にも拘わらず、ウクライナを攻撃した。つい最近の米国による部分的な停戦案、お互いのエネルギー施設を攻撃しない、との双方合意を違え、相変わらずドローンや無人機を飛ばしている。市民を標的にするのは国際法上も厳禁だが、一昨日はスリムの市街地上空でクラスター爆弾を爆発させ、多くの市民を殺傷した。人間と野獣を合わせて人畜と言うが、彼等は人ではなく、畜生だ。
ロシア人の中には芸術家、スポーツ選手、演劇その他沢山の素晴らしい人々がいる。ノーベル文学賞受賞者も日本人よりも数多い。ボリショイ劇場、バレー/ダンス、チェーホフ、水爆の父サハロフ博士、等々、突出した才能も数多い。しかし、個人を離れ、国家となると異質だ。全く異なった顔を見せる。
明治の外交官小村寿太郎は日露戦争時の外務大臣で、ポーツマスに於いてロシア側と戦後の賠償協議を行った。彼は宮崎飫肥藩の出身で、飫肥城の前に寿太郎の記念館があり、そこにはポーツマス会談で使われた樫製の随分大きな長テーブルが展示されている。そのテーブルに刻まれた多くの傷跡は、交渉の場に際しての寿太郎の憤り、苦悩、落胆の後が多数刻まれていた。
確かウッテと言ったか、相手方ロシアの交渉官、箸にも棒にもかからぬ男で、寿太郎に取っては交渉すること自体が無意味で、時間の浪費と思えた。そんな中でも彼は苦難の交渉をまとめ上げ、最小限の勝利を勝ち取ることができた。樺太の南半分、千島列島の江戸時代に協定された南半分、それと僅かな賠償金、確か5000ルーテルかと思ったが、これでは到底戦勝国の戦利品と言えるものではなかった。帰国した寿太郎を待っていたのは、多くの国民の反発で、勝利を祝うどころか、日比谷公会堂の焼き討ち騒ぎまで起こったのだ。
ロシアは何があっても非を認めない国だ。非を認めないことに関しては、この国のDNAとして染みついている。幕末、欧米主要国が日本の開国を求めて日本に押し寄せて来た。その頃、プーチャーチン提督の軍艦が駿河湾で遭難し、伊豆戸田の村民が救出し、江川太郎左衛門の指揮のもと、新たに軍艦1隻を建造し、ロシアに与えてやったが、そうした恩義などどこ吹く風、その直後にはロシア軍艦が対馬の浜辺に強行乗り上げ、船員の保護、給水、薪炭の名目で、浜辺に小屋まで作って居座ってしまった。あわよくばそこをロシアの橋頭保にしようとしたのだ。その浜辺周辺を治外法権にして対馬海峡を実行支配しようとしたのだ。
幕府は話し合いにより立ち退きを要求したがロシアは応じない。困った幕府は当時クリミヤ半島でロシア相手に戦争をしていた英仏にお願いし、ロシアの追い出しを計ったが、中々いう事を聞かない。その間、北方カムチャッカ沖で、ロシア艦隊と英仏艦隊の戦いがあって、ロシアは敗北し、漸くにしてロシアは対馬から撤退した。こうしたしぶとく強欲なロシア。絶対に負けを認めない相手。トランプは甘く考え、自分が大統領になったら1週間で戦争を終わらせる、と大見得を切ったが、もう既に3か月は経過した。しかもその停戦交渉も雲行きは怪しくなっている。
3年前、安倍は奈良西大寺駅前で暗殺されたが、それは邪宗の統一教会に肩入れし過ぎた結果の信者家族からの報復殺人であったが、安倍の数々の功績の中で、この邪教とロシア問題だけは汚点を残した。北海道出身のロシアの代理人を思わせる代議士からいろいろと夢のような話を吹き込まれ、浅墓にもそれを信じた元総理は、有ろうことか27回もプーチンと個別面談を重ね、地元の長門にも迎えて歓待したが、思わせぶりなプーチンの話に釣られ、結果は莫大な協力金を支払っただけで終わり、北方4島の1ミリも戻ってくることはなかった。北極海油田開発で支払った2000億円はすべて国民の血税だ。こんな国を信用した安倍がバカだったのだ。
ソ連解体時、クリミヤ半島はウクライナの領土になったが、その半島にあるソ連海軍基地セバストポリは何があっても手放すことはなく、それから30年経った今日、そこを根城として、半島全体を自国領土に組み込み、更にはウクライナ本国まで攻め入っている。同じような立場のカリーニングラード。元々はハンザ同盟の海洋都市で、ケーニヒスベルクと呼ばれていたが、第2次大戦時のドサクサに紛れてソ連が占領することになり、ソ連崩壊後もロシアが居座って、今正に、クリミヤ半島のセバストポリのような位置づけになっている。領土拡大を国家の主目的とするロシアに取っては実に好都合な飛び地ではあるが、欧州諸国とりわけ隣国のリトアニア、ポーランドに取っては最大の脅威で、自国の敷地内にクサビを打ち込まれたような戦々恐々の状況だ。
ウクライナ戦争がどのような決着を見るのか自分には分からない。しかし言えることは過去数百年の歴史の中で、ロシアは決して信用してはならない国であり、約束事、条約もいとも安易に破られる国と言う事だ。戦争末期、終戦の斡旋までお願いしていた日本政府を尻目に裏では欧米と手を組み、日ソ不可侵条約があったにも関わらず終戦の僅か数日前に日本軍への突然の攻撃を仕掛け、満州の地、樺太の地で多くの日本人を殺害し、60万人にも及ぶ関東軍将兵を捕虜としてシベリアに送り、且つ日本がポツダム宣言を受託した以降も戦線を拡大し、北方4島を含む千島列島ギリギリの僅か納沙布岬の先3キロの無人島、貝殻島まで占領し、戦後80年、今尚漁業協力金の名目で、日本から莫大な金を搾取している。自分が小学生の頃、日本の水産大臣は誰だったか覚えていないが、相手のイシコフとの漁業協定で、随分と難儀し、この相手の名前だけは今でも覚えている。卑劣で強欲なロシア(ソ連)官僚だ。 こんな卑劣な国とはまっとうな交渉などすべきでない。
多摩市に住む33歳の母親。15歳と14歳の男児の母親でもあるが、母子家庭だ。18歳の時に長男を生んだが、その後離婚した。傍から見れば大変な家庭環境で、高校1年の長男は発達障害、14歳の次男は脳性麻痺で生まれ、嚥下障害が残り、医療加護が欠かせない。
新聞社会面には時々悲惨家族の親子心中とか自殺記事が出ているが、行き詰った家族が最後の手段として選択した自殺行ではあるが、この母子家庭には全くそういうことが見られない。強い精神力があるのだろう。他人から見たら悲惨な状況も自身と子供たちはそうは思わず、苦とは捉えていない。33歳の年若な母親がこれ程強く生きていることに感銘を受ける。