80近くになる自分は今でも短気で、カッとし易い性格であって、この性格は年齢を重ねても中々穏やかにならず、困った性分と思っている。しかし、今の世の中を見ていると、自分以上に短絡的な日本人が増えてきている。
数日前の地下鉄東大前ホームでの中華包丁切り付け男は、長野からやってきて、犯行前には東大構内に入り、学食で昼飯も食ってから再び地下鉄駅に戻り、凶行に及んだ。犯行後の自己弁護として、教育熱心な親のせいにし、「度が過ぎると自分のようなグレた子供になる」、と、40過ぎても尚親の責任にしていた。大人になり切れない子供の頭だ。東大キャンパスに入って、何を思ったのか・・。
一昨日大宮のマンションでは、都内に住む男性から同棲している女性が元夫のマンションへ行ったきり戻らない、との通報が警察にあり、警察官が部屋を訪ねた処、内側からカギが掛かっていて、部屋の中には元妻の刺殺体と元夫の自殺体が発見された。二人とも40代の男女である。元妻が何の目的で元夫のマンションを訪ねたのか、報道の続報がないので不明だが、想像するに何等かのトラブル、問題解決の話し合いで行ったものと思われる。話がこじれ、結果、元妻を殺し、自分も自殺した。元々普通の話ができない夫婦だったから離婚したのだろうが、のこのこ一人で出かけて行ったこの女性も思慮に欠けていた。
昨日は又2件の親族間殺人事件が発生した。1件は千葉の習志野の集合住宅で発生した母子殺人事件。犯人として45歳の息子が母親殺しで逮捕され、同時に妹も殺害した。二人は紐で首を絞められ殺害されたが、この住宅には70代の母親と犯人の息子、妹の三人で暮らしていたが、犯行後、息子から警察に電話があり、二人を殺害したとの通報があった。犯行動機は未だ報道がないが、何等かの殺すべき重大な理由でもあったのか・・。家族間のトラブルとも思えず、家族の深刻な病状か・・。
同日、愛知県の田原では高校2年16歳の少年から警察に通報があり、自宅で75歳の祖父と72歳の祖母を殺した、との連絡。二人は寝ていた処を孫の16才少年に刺殺されたのだが、これも又続報がなく、この家には一体誰と誰が一緒に生活していたのか、少年の日常行動はどうだったのか、この時、父母はどこで何をしていたのか、全く不明であり、報道は広く情報を集め、公にすべきだ。いずれにしても震撼すべき事件で、マスコミも一報だけでそのまま放置してはならない。可愛いハズの祖父母孫間、全く理解できないし、想像もできない。
芸能人の推しにしても自殺にしても殺人事件にしても、一つの流行の様相を呈する。皆安易に流行、流れに乗って似たことをする。深く考えることもせず、右見て右ならえ、イザヤベンタサンではないが、日本人がどんどん家畜化、羊化されていき、何も考えもせずに流行を追う。日本人の幼児化、退化。何が悪かったのか・・。テレビかマンガか親か教育か・・。
檮原町と書いて、ゆすはらと読める日本人は少ない。檮原は旧字体で、今は一般的には梼原と書いている。ユズハラと濁らずに、ユスハラと清音で読むようだ。この町は四万十川の上流にあって、交通不便な山間の地にある。坂本竜馬が土佐藩を脱藩した時に、この檮原を抜けて西予に逃走した。坂本フアンに取っては、重要な土地である。
自分も四国霊場巡りで、久万高原の端にある岩屋寺に参拝したが、そこは檮原の隣の山間部にあって、その辺りには四万十源流の清流が流れていた。隈研吾とこの町との係わりは深く、この町の役場は彼の設計になっている。他にもホテルなども建築し、彼の木材工法の原点はこの山の中の集落にあったようだ。木材をメインモチーフにしての国立競技場、万博のリング等々、後年の木の設計者としての彼の原点はこの町にある。