ちゃおチャオブログ

日々の連続

5.17(土・小雨)ホセ・ヒムカさん死亡、89才。屋久島の自然。



 

ウルグアイの元大統領ホセ・ヒムカさんが亡くなった。89才。2010年から5年間大統領を務め、世界で一番貧しい大統領と言われた人だ。大統領退任後日本にもやって来て、幸せとは何かを訴え多くの日本人にも感銘を与えた。

 

「我々は幸せになる為にこの惑星に生まれた」「貧しい人とは僅かしか物を持たない人ではなく、幾らあっても満足しない人」と主張し、大量消費社会の見直しを求め、質素な生活を実践した。大統領になっても豪華な官邸には住まず、郊外の農園に住み、給与の9割を寄付していた。

 

元々は左翼ゲリラの闘士だったが、1960年代にソ連を訪問し、労働者の陰鬱な表情に共産主義へ幻滅し、共産主義とは袂を分かった。国民からはペペと呼ばれ、最後まで愛されていた。1年前に食道がんに罹り、約1年放射線治療を受けて、3日前に亡くなった。

 

プーチンにしても金にしてもトランプにしても権力の座に就くと、人間性を無くして天狗になって、やりたい放題の権力者として君臨するが、何もそれはこの3人に限らず殆どの人間が人間で無くなってしまう。ぺぺことヒムカさんは「世界で一番貧しい大統領」と言われてはいたが、実は「世界で一番心がリッチで豊かな大統領」だった。ご冥福を祈ります。

 

 

屋久島は鹿児島の南端、佐多岬の先60キロの洋上に浮かぶ島だ。島には自分も登ったこともある日本百名山宮之浦岳があり、2000m近くの高山だ。他にも1000mを越える山岳があり、雲を呼び、年間1万ミリを越える多雨の島。従って海面近くの亜熱帯の植生から山頂近くの亜寒帯までの植生が広がり、1993年、島の約21%が世界自然遺産に登録された。確か白神山地に続く自然遺産だったと思う。

多雨は多様な植生と深い森を産み、樹齢3000年、5000年を越えるような縄文杉、弥生杉の巨大大木の森林帯を作り、神秘的な森を作っている。宮之浦岳を登った後、この巨木林の森へ行ってみたが、正に自然遺産に相応しい自然豊かな神秘の森だった。