今日まで全勝街道をまっしぐら。13日目にして早くも優勝。2場所連続優勝で、来場所の横綱は確約された。久方ぶりの日本人横綱誕生。前回稀勢の里がようやっと横綱になれた時と違って、大の里は圧倒的な強さだ。誰も異論をはさむ余地はない。輪島以来の石川県出身の24才。場所入り最速の横綱で13場所目の栄達だ。穴水出身の遠藤がいて、そのスピードと切れの良さに綱も期待されたが、怪我に泣いて、大関を前にして尻ツボんで行った。遠藤や貴景勝、それぞれ綱を期待されたが、残念ながら登りきれなかった。
見事な青年24才。今日の大相撲一番取組前も落ち着いていて、興奮している気配はなかった。今日勝つのが当然の面持ちで、その通りの相撲で琴桜を一蹴した。全く予想外のことが起きなければ、明日明後日の2番も難なく勝って行くだろう。15戦全勝優勝は彼の脳裡の中では当然の道のりだ。ケガさえなければ偉大な横綱像が目に浮かぶ。この先10年、白鵬の数々の記録を破るのは彼しかいない。大いなる期待がかかるが、彼はそのプレッシャーには負けない。今場所も15日連日満員御礼だ。この先10年、相撲人気を牽引する最強のエンジンが誕生した。おめでとう大の国!
藤田嗣治の特別展が6月22日まで新宿ソンポ美術館で開催されている。フランス滞在が長く、レオナール藤田とも呼ばれれている。戦時中、軍に協力し、国威発揚の絵画を多く描いたが、それは戦前の殆どの文化人、画家、作曲家などが、新聞社も含め行ったことで、彼一人非難されることではない。戦後の一時期メキシコに住んだり、瀬戸に住んだりしたが、彼の多彩な芸風の肥やしにはなっただろう。
ソンポ美術館では一般が1800円、25歳以下は1200円、高校生以下は無料、とのこと。好ましい。特に若い人にはより多くの機会を与えてもらいたい。
京都国立博物館では6月15日まで「日本、美のるつぼ」と題してのテーマ展が開催されている。目玉は国宝の風神雷神図屏風で、江戸時代初期の画家、俵屋宗達が作成したものだ。京都建仁寺が所蔵している。風の神と雷の神。どちらも強く、どちらが上とも言えない。迫真の戦いだ。それぞれ世界に誇れる日本の絵画。才能豊かな国民だ。