
安倍はトランプとの関係に於いて、自身では随分仲の良い関係と信じていたが、実際はそれ程でもなかった。安倍暗殺後の国葬に際しても、インドのモデイやカナダのトルドー、バッハ会長はやってきたが、米国はハリス副大統領、トランプは全く姿も見せなかった。報復関税の吹き荒れる今となっては、TPPを持ち出しても、今となっては所詮意味ないが、当時のトランプは乗り気薄で、後を引き継いだバイデンも結局参加しなかった。仮に当時米国がTPPに参加していたとしても、大統領令一本で、今はどこかに吹き飛んでいる。
安倍はトランプにTPPとIndo-Pacific連携を働きかけ、トランプはIndo-Pacificに関しては利アリと見たのか、賛同する意思を示していたが、しかしそれは積極的なものではなく、今はインドにロシア原油の間接関税として50%を課している。トランプに取ってはIndo-Pacificなどどうでも良い事で、戦争を止めないロシアを痛めつけることだけに主眼が置かれている。
マールアラーゴでトランプと2回もゴルフをして、親密と思っていた安倍の目論見はトランプには全く通じなかった。プーチンの裏切り同様、トランプにも墓場の陰で臍を噛んでいるだろう。逆に言えば、まあ、それ程人を見る目が無かったことを証明したに過ぎないのだが・・。
さて、今般の報復関税、石破は意気揚々と日本は15%の関税率を勝ち取った、と誇らしげに会見し、その後の国会でも答弁していたが、その後韓国にしてもEUにしても、主要国はどこも15%で、日本だけが特別に低い関税率ではなかった。更に不味い事にはどこの国でも結んでいる合意書、同意文書を作成しなかったことで、この点は先の国会でも野党から突っつかれたが、案の定、合意文書が無い事を良い事に、早速自動車に関しては15%ではなく、未だ尚高い関税率である。締結を急ぐあまり、合意書作成の時間は無かったと赤沢日本代表は弁明しているが、時間が無いのはどこの国も同様で、日本だけが時間が無かった訳ではなかった。
日本は騙されたのだ。合意書、条約があっても全く異に介さずボロ屑のように引っくり返すトランプの事だ。合意書が無ければ、全くやりたい放題でごり押しをして来るだろう。石破、日本人(政府)は甘く見られたのだ。
石破、日本(政府)がトランプに騙されたように、トランプは又プーチンに騙される。毎度の事だ。近々トランプープーチン+ゼレンスキーの3者会談が行われる予定だが、ここでも又プーチンに丸め込まれるだろう。安倍が26回もプーチンと面談し、その本質が見抜けなかったように、トランプも安倍同様だ。トランプは更に隠れたアキレス腱を握られているかも知れない。3者会談は思うようには進まないだろう。
宮崎飫肥城の前に小村寿太郎記念館がある。そこにはポーツマス会談で使用された長テーブルが置かれている。テーブルの上の幾つもの傷跡は小村が歯ぎしりした苦悩の痕跡だ。トランプにもこの長テーブルの傷跡を見せてやりたい。ロシア(人)、プーチンは一筋縄、二筋縄、三筋縄でも御用とならない男だ。墓場の安倍に聞いてみるとよい。
