
自公分裂から一夜明けた今日も、激震の余波は鳴りやまない。昨日の党首会談の中で、高市から羽生田は党内人事の問題だから期の途中で、直ぐにも交代させることは可能だ、との提案がされたことが、自民関係者から公になったが、それこそ、公明をバカにした話である。公明は、こうした金塗れの議員は登用すべきではない、と申し入れしていたが、麻市執行部は無所属で当選した羽生田を直後に復党させ、選挙でみそぎを受けたのだから、過去の過ちは帳消しにするとし、更には重要ポストに登用した。秘書が刑事罰を受けてからまだ半年も経っていない中でのことだ。
裏金問題、その前のもり家計問題、統一協会と、自民の長年の膿が噴出し、解党的出直しをすると言いつつも、旧態依然で、過去3回の総選挙、都議選で大敗したが、その本質は自民が解党できなかったことに問題があったのに、党内非主流の石破個人の責任に押し付け、石破を下ろした後には、又もう知らん顔で、旧態に戻っている。公明斉藤はそれを指摘しているのに、麻市は全く理解せず、一個人の人事問題にすり替えている。これでは全く話しにならず、覆水は盆に返らずだ。
公明が政権の座から降りるのは相当な痛みを伴う。国選、地方選共に協力し合って来た関係の中で、自民からの協力が得られなくなり、票数減、議席減を覚悟の上での連立解消を申し入れたのだが、それ以上に痛手を受けるのは自民側で、今後の総選挙の場で、公明からの協力を得られなくなれば、最大、40~50議席も失う事になりかねない。それ程、すれすれで当選していた議員も多く、その多くは公明からの支援があってこその当選だった。今回の連立解消はより多くの痛みを自民が受けることになり、票の動きによっては第1党の座を失う危険もある。
20年前、進次郎の父親小泉純一郎が自民党をぶっ潰す、と言って総選挙に臨み、その言葉に釣られた国民も多く、本当に自民党が解体されるかと思って、総選挙では大勝したが、選挙後、自民を潰すどころか、いよいよ派閥は肥大して行った。世間では親父ができなかった事を今度はその息子進次郎が実際に自民を割って、自民を潰すかも知れないと、疑心暗鬼もあったが、結局進次郎は総裁に選ばれず、代わりに高市がなった。嘗ての総務会長、総務大臣時代の彼女の言動を見ていると、大胆で、前向きで、前進あるのみ、の働く女性と思っていたが、総裁に選ばれた途端にガクンと後退した。
丁度1週間前の先週土曜日、彼女が総裁に選任された時点で、初の女性総理誕生と早くもオマージュの記事を書いたが、今思えば浅墓だった。翌日、党内で最初の会談をマンガ太郎として以降、彼女の方向性が180度後退し、方向性も定まった。翌日以降の彼女の言葉は上滑りで、実が無くなった。一夜にして、金ぴかのメッキが剥げ落ちたようなものだった。国民の方ではなく、党内の後ろを向いて行動すれば、いずれ自民は縮小し、崩壊の道を辿ることになるだろう。昨日はその最初の第一歩だったと、後世の政治学者が指摘する時代がやってくるかも知れない。
