ちゃおチャオブログ

日々の連続

11.26(水・晴れ)香港大炎上、Towering Inferno.



 

香港、新開地の高層マンション火災は、まるで半世紀前の米国映画、Towring Infernoの現代版だ。8棟立ち並ぶ30階以上の高層マンションの7棟が火の海に包まれ、火柱となっている。香港は昔から竹で足場を組んで高層ビルを建てていた。その足場に火が燃え移り、次々と隣接マンションに引火した。ここには合計4000人が居住しているという。夜ではなく、昼火事で不在の住民も多かったんだろう。今の処死者13人、内消防士一人が発表されているが、これだけの大炎上、二けた台の使者で済むとは思えない。

 

約半世紀前、米ハリウッド映画、Towering Infernoは手に汗握る緊迫映画だった。サンフランシスコの高層ビルの火災で、往年の名優ステイーブマックイーンが消防士役をやって、最上階に取り残されたパーテイ会場のセレブを救出していくが、ポールニューマン、その婚約者のフェイダナウエイ、最後に締めたロバートヴォーン等々、手に汗握るアクション映画だった。

 

映画は楽しめたが、ここ香港のInfernoは現実だ。超高層の燃え盛る高層階からは、消防士と言えども救出できない。逃げ惑い、煙に巻かれ、火に煽られて死んで行く。丁度同じ頃、赤坂のホテルニュージャパンの火災は深夜の事で、宿泊客は就寝中だった。発見、誘導、避難が遅れ、多くの客がホテル内に取り残され、30人以上が無くなった。焼死を避けるため、多くが高層階の窓から飛び降りたが、助からなかった。隠し事の多い中国、香港、どれ程の正確な情報が公開されるか分からないが、正しい事実を伝えてもらいたい。

 

香港には過去数回旅行している。最初の旅行は学生の頃で友人と一緒にソ連のナホトカ号に乗って行った。その頃は東京にはまだ高層ビルはなく、香港の高層ビルを見て、驚いた。日本と違って地震の無い大陸、こうした高層建築も容易に出来るのだろう。更にびっくりしたのは、これ等高層ビルが竹の足場によって建設されていることで、その竹をずっと上の方まで伸ばして作業をし、成程、竹の文化の国だけのことはあると感心もしたが、竹の足場と超高層ビルの取り合わせに何か不思議の感を持った。

 

その後何回か香港を旅行したが、竹とビルは最初の印象だけで、次からは、これは香港の普通の光景と思うようになった。今回の大炎上の場所は新開地で、昔は新界(サンカイ)と呼ばれた処だ。香港大通り、ネイザンロードを北に進むと、香港のスラブ街、NYのハーレムのような町、油麻地(ユマテイ)があって、港に面していて、木造のダルマ船やら、サンパンやら、密貿易船やらが狭い港にひしめいていたが、陸上の建物は古く、5-6階建てのマンションが密集していて、その窓から通りに長い竹竿を出して洗濯物を干している光景は、ここでも又竹竿の有効活用を見た思いだった。が、危険地域と聞いていて、余り長居もせずに、セントラル地区のホテルに戻った。

 

10年程前、久し振りに香港へ行き、その時は以前利用した市内の啓徳空港から、ずっと郊外の島に出来たハブ空港から電車に乗って香港島にきたが、その中継駅が油麻地で、そこの変わりようは目を瞠った。東京にもないような近代的な駅と周辺は古いビルは一切取り払われ、東京以上の高層ビル群が駅を取り巻いていた。30年停滞する国と年5%も成長する国の違いをまざまざと知る思いだった。

 

今回の大炎上はこの油麻地ではないが、同じ新界で、昔は何もない草ぺんぺんの荒地だった。最初に香港へ行った時、広軌鉄道が珍しく汽車に乗って香港から中国との国境の駅まで行ったが、その時の駅は駅舎も無く、コンクリのプラットホームが二つ並んであるだけで、中国へ行く乗客は汽車をおりて歩いて、中国国境へ向かって行った。周辺は草ぼうぼうで、今は超高層の立ち並ぶ深圳など、町の姿も見えなかった。

 

数年前、広州から新幹線に乗って深圳に来て、そこから更に電車を乗り継いで香港へ来たが、深圳ー香港の乗り換え国境は広い半地下の通路になっていて、電磁式チェックで国境も全く東京の電車の改札でスイカをかざして通過するのと同じで、50年前のあの草ぼうぼうの駅から、全く別の世界にやってきた。その草ぼうぼうだった土地に、あの、NYを凌ぐ超高層のマンション群が建設され、1棟に500人、8棟合計で4000人の住民が住んでいる。4000人は日本で言えば地方の町村の人口に匹敵する。これだけの火災、今日の処はまだ13人死亡の発表だが、救出されなかった住民も多数出て来るだろう。人口の1割、400人は見込んでおかなければならない。Towring Inferno.足元でこんな大惨事が起きていて、日本の総理が何かを言ったとかで、因縁つけて嫌がらせをやっている場合ではない。足元をしっかり見据え、余計なちょっかいは慎むべきだ。