ちゃおチャオブログ

日々の連続

白川さん、エコノミストとしての至らなさを自覚すべきだ。

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今日の東証は朝から高く寄り付き、前場はずっと200円高をキープしていたが、後場に入ると急伸し、終値は416円高、対前日3.77%の上げで、11,463円で終了した。これは実に4年4か月ぶりの高値で、リーマンショック後の高値を更新した。
 
株式市場の動きを見ている限りでは、昨日の日銀白川総裁の突然の辞任発表に対し内外の大方の投資家が好感し、東京市場に雪崩を打った感もある。
 
今日の東証の動き以上に、24時間動いている為替市場では、昨日の夕方白川氏が辞任発表した途端に円安が亢進し、米ドルは一時84円近くまで上がり、豪ドルなどは一時97円を越えたが、今日も又その流れを引き継ぎ、更に円安が進み、従って株式市場関係者も円安定着による輸出業者の急速な利益率回復を見越して、大幅な買い越しを行った結果、出来高は実に46億株、2兆8千億円の売買高となったものである。
 
白川総裁の辞任インパクトがこれ程大きいものだったとは、関係者の個々人は想像もしていなかったと思うが、個々人の集合したマスのエネルギーは、これ程も大きなものだった。市場参加者の集合体が一斉に一方向に走りだした結果であり、これ程の大きなインパクトは白川氏自身も想像していなかったに違いない。だから、昨日あのような形で唐突に記者会見を行った次第だったが、それは取りも直さず昨日までの日銀の姿を象徴しているものだった。
 
それは何か。即ち、「トンチンカン」の一語に尽きる。状況判断の出来ないノー天気、時代錯誤、前進すべき時にブレーキを踏み続けるアナクロニズム、等々、時代にマッチしない人間が古い思考回路で物事を判断し、その間違いに気が付かず奠としていることである。
 
日銀の主要政策の一つに物価の安定があるが、それは即ちハイパーインフレは論外としても、インフレを抑制し、コントロールすることである。高いインフレは国民生活を破壊し、社会を混乱させるからである。だから通貨を安定させ、適度に経済を循環させて、経済成長を図っていくことが主要命題の一つであった。
 
処が過去20年間の日銀政策はどうだったのか。3M,即ち三重野時代に急激な金融引き締めを行い、インフレを抑えるどころかデフレに陥れ、爾来数回デフレを脱却した年もあったが、概ねは物価の下落基調が続き、経済は縮小し、所得は下がり、税収も落ち込み、国債発行が激増した。
 
これは一人日銀のみの責に帰すべきことではないかも知れないが、物価の安定、経済の循環と成長を主要目的とする日銀としては、最大の失敗であるが、その失敗を認めず、他者に責任を押し付けるべき従来の態度は正にアナクロニズムであり、時代錯誤だった。三重野以来、同じトンチンカン総裁の下に何代にも亘って牛耳られてきた日本経済、日本国民は全く不幸であったと言える。
 
累年のデフレを恥とも思わない歴代日銀総裁ではあったが、先般安倍内閣、総理よりインフレターゲットをせっつかれ、嘗てないことであったが、今般白川総裁より2%のターゲットが発表され、以来、それを好感した株式市場は急騰し、為替市場も円安が大きく進んだが、本来、このターゲットは10年前、20年前にいち早く打ち出すべきことであった。それが物価の安定に資することと認識している政策委員は何人いたのか? 何人かいたとしても歴代総裁の鶴の一声、ノー、に打ち消されてきたのだろう。
 
白川さん、自身の辞任劇で、市場がこれ程までも沸騰したということを真摯に受け止めれば、自身が今まで日銀総裁としてやってきたことが如何に至らなかったか、国民から受け入れられてこなかったのか、普通の頭を持っていれば理解できることである。貴殿は役人としては立派だったかも知れないが、総裁の椅子に座るべき優れたエコノミストではなかった、ということを国民の前に謝罪し、3月19日を迎えるべきである。
 
 
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