ちゃおチャオブログ

日々の連続

イギリスの3日間(41)バイブリー集落周遊。

コッツウォルズでの2番目の訪問先はバイブリーだ。
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今は雑種地になっているが、ここには以前は羊毛を保管する倉庫群があったとのことである。
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雑種地の向こう側には、肩を並べるように昔の住宅が残されている。
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さてこれから30分の集落周遊が始まる。
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日本で言えば長屋のような住宅が昔のままの状態で残されている。
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バイブリーはさっき回ったボートンオンザウオーターよりも更に小さな集落だ。店屋もインフォーメーションも無く、バスストップも見当たらない。コッツウォルズ観光の周回コースだから、どこかにバス停もあるのだろうが、それらしき賑やかな場所はない。日本で言えば鄙びた平家の落人部落のようなものかも知れないが、忙しい現代人の疲労した精神にはこうした「何もない」ところが却って良いのかも知れない。

この集落にはいつの頃か思想家であり且つ芸術家のウイリアム・モリスが住んでいて、「イングランドで最も美しい村」と評していたようだ。集落の真ん中に昔風の石橋があって、尤もそこはたまにしか車も通らないのだが、その下をさらさらと透明な小川が流れている。橋の向かいにはかなり広い雑種地が広がっていて、今は草ぼうぼうになっているが、昔はここに羊毛を保管する倉庫が沢山並んでいたとの小田島さんの説明であった。

この集落を30分かけてぐるっと回る。古い造りの家が長屋のように軒をくっ付けて並んでいるが、本当に昔の長屋だったのかも知れない。高倉健の「黄色いハンカチ」の中に炭鉱町の集落が出てくるが、丁度そんな感じの長屋だ。ただここはリッチな英国の労働者の住宅だから、造りは日本の長屋よりも遥かに見栄えは良いが・・。

縫製業が盛んな頃は、この集落もさぞかし賑わっていたに違いない。高台の台地の上には、大きな敷地の大きな住宅が幾つか並んでいる。今はもう代変わりして、住人は昔からの人ではなく、都会地から移り住んできた、田舎好きの家族かも知れない。昔のシェイクスピアの時代だったら、コッツウォルズからロンドンへ出るのに何日もかかっただろうが、モータリゼーションの発達した現代では、数時間でロンドンへ出ることもできる。箱根か房総か茨木位の距離感だろう。それにしても人が少ない。30分の周遊の間、集落の人の誰とも会わなかった。



イギリス版平家落人部落のような感覚で周遊する。
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台地の上には見栄えの良い広壮な住宅も建っている。
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ボートンでも見た昔風の石組み。サークルストーンを生んだ国ではある。
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ああ、水仙が咲いている。日本でも水仙は1月の花だ。
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水仙。ナルシスト。元々は西洋の花だ。白く静かでおとなしい。
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