１日に２回も号外が出る日はめったにない。初めてか、何年ぶりかだろう。先ず最初に昼前、米国からの速報、イチロー選手が６回、３打席目に待望のヒット、３塁打が出て、日米、双方のフアンが待ちに待った３０００本の安打を遂に達成。ＭＬＢ上３０人目の快挙を達成した。
イチロー選手が偉いのは、他のＭＬＢ選手が高卒、大卒の２０台前半からスタートしているのと違って、日本で１０年間選手生活を送り、２７歳の時に米国に渡り、今まで日本人野手はＭＢＬにはいなかったのだが、見事にそのジンクスを跳ね除け、２６３本のＭＬＢ史上最多安打、１０年連続の２００本以上安打、盗塁王、首位打者、日米通算では、ピートローズの持つＭＬＢ記録４２５６本を既に抜き去って、世界記録保持者になっている。
現在４２歳、最年長の現役選手だ。天才というか、異人というか、並外れた運動能力、野球道に向かう求道者のような姿勢、既に現在伝説上の選手になっている。
３塁打を放ち、３０００本安打が達成された時、敵地デンバースタジアムでは、敵味方無く観客は総立ちで偉業を称賛し、球場が割れんばかりだった。又、マーリンズ選手全員が３塁上に駆け寄り手を取り、肩を叩き、イチロー選手の偉業を祝福した。今まで、大記録を達成し続けてきて、いつも冷静平穏な彼も、この時ばかりは目に涙も滲んでいた。苦しかったに違いない。自分に打ち勝った喜びかも知れない。
ニュース速報を聞き、号外を見た日本人の多くも同様な気持ちだっただろう。素晴らしい日本人がここにいる。世界に誇れる日本人で、自分たちは同じ民族だ。イチロー選手の数々の偉業は、日本民族がこの地球上に存在する限り、永遠に忘れ去られることはないだろう。
更にもう一つの号外は、天皇陛下のビデオメッセージだ。３時から約１０分間、陛下が画面に向かって国民に語り掛ける。年齢の事、今まで象徴天皇として、国と国民に対し、全身全霊で職務に取り組んできた事。しかし、人相応に病気もあれば、年齢の衰えを感ずることもある。
陛下が一人の人間として、嘘偽り、衒いもなく、心の裡を国民に向かって語り掛けた。ビデオリサーチの視聴率は恐れ多くも統計は取られていないとおもうが、多分視聴率は５０％を超えているだろう。前以て予告放送が案内され、多くの国民はこの日の３時を待っていた。
人間天皇。天皇は神でもなく別人格でもなく一人の人間だ。仕事に疲れることもあるだろうし、家族との私的な時間も持ちたいだろう。しかし、今の憲法、法律はそれを許さない。両陛下は今まで、数えきれないほどの国民の象徴としての精魂を傾けて来られた。８０歳を過ぎてまで、国民は陛下を酷使することもないだろう。我々一般人が高齢になり、余生を楽しむように、陛下にもそうした自由な時間を与えてやるべきだ。
政府は今日のお言葉を踏まえ、早急に現在の憲法、皇室典範等の整備、見直しを行うべきである。昭和平成天皇が国民統合の象徴であったように、次の天皇も同様なお立場であるように、早急に整備していくべきである。半世紀前、エチオピアのハイレセラシエ王家が無くなって以来、世界で一番古い家系、皇家は我が日本の天皇家に他ならない。国民は競って盛り立てて行かなければならないのだ。
