長らく不振続きだった桐生が漸く目覚めた。昨日福井であった学生選手権で待望の100m・10秒の壁を打ち破る、9.98の日本新で優勝。日本人初の9秒選手が生まれた。3年前の高校生時代、歴代2位の10.01秒を走り、壁打破の期待がもたれたが、その後、ケガやスランプで思うような結果が残せず、その間、新たに出てきた後輩、サニーブラウンや山県、多田等の追い上げに、影が薄くなりかけていた。
先月行われたロンドン世界大会で、400mリレーに補欠として出場し、見事銅メダルを取ったものの、もう過去の人のようにも思われていた。
そうした世間の毀誉褒貶をひっくり返しての今回の快挙。日本人初の9秒台は日本人初の南極大陸、初の宇宙飛行士に匹敵する位の出来事だろう、各誌、新聞も1面をぶち抜きにその快挙を讃えていた。これがもしも北が変な動きでもすれば、一面の半分はその記事に潰され、桐生の価値の比重は、半分以下に評価されたかも知れない。昨日は二重の意味で、喜ばしい1日だった。
人間に裏表があるように社会にも表裏がある、今日から大相撲が始まるが、3横綱が休場。日馬富士一人で場所を支えることになった。大相撲が名古屋の地方巡業のような感じになった。人気の力士が出ないとなると、場所も精彩を欠く。