ちゃおチャオブログ

日々の連続

「ニュージーランド『感動』の1週間」(26)トンネルを抜けた先の森林浴。

荒削りのトンネルを通り抜けると、ミルフォードの海岸線まで一気に下り降りる。
イメージ 1



ああ、日光のイロハ坂よりも凄い急坂が続くが、それでも戸田の達磨峠には敵わない。
イメージ 2



イロハ坂が狩猟すると、道路脇の駐車場に停まり、約30分の森林浴散策となる。
イメージ 3



鬱蒼とした樹林帯で、ジャングルの中を歩いているようだ。
イメージ 4



ああ、これは南方系の羊歯ではないか!
イメージ 5



地理的には南極に近づき、気温は寒くなる筈だが・・
イメージ 6



海流、暖流の影響だろうか・・
イメージ 7




昔の上高地「釜トンネル」と言っても、山好きの人とか、地元の人位しか知らないと思うが、現在のような2車線交互通行が出来る以前のトンネルは、狭くて暗くて、いつ天井の岩盤が崩れ落ちはしないかと言う心配もあった。上高地へ行く為にはこのトンネルを通過せざるを得ず、山を登った後の帰りは、疲れもあってか、それ程気にも掛けずに通り過ぎたが、行きの最初の通過時には、このトンネルを通るたびに、ああ、山に来たんだなあ、との思いを強くしたものだった。

このミルフォード・サウンドへ向かう凡そ500-600mのトンネルを通過している時、嘗ての釜トンネルを思い出した。荒削りの岩肌。そこにはコンクリートの擁壁もなければ化粧板もない。薄暗い照明の中に、岩肌を伝わって落ちる滴が黒光りしている。路盤の舗装も不十分でデコボコしていて、スピードを落としたバスはバウンドしなから進んでいく。車内の乗客も話し声を止め、バスの揺れに身を任せ、トンネル通過を待っている。よもや通行中落盤事故があるとは、誰も想像はしていないだろうが、車内が静寂になるのは、この薄暗く、黒光りするトンネルを通過する際の通過儀礼かも知れない。

上高地が釜トンネルにより結ばれたように、このトンネルはミルフォード・サウンドへ行く目的だけの為に作られた観光道路だ。だから、通行量も限られていて、固い岩盤を荒削りのままにしておくのも、嘗ての釜トンネルと同様だ。敢えて隧道内の照明を明るくしなかったり、天井板や化粧板を取り付けてないのは、そうした観光客の旅行気分を掻き立てる効果を狙っているのかも知れない。

トンネルを通過すると、出口はこの岩山の山頂から少し下がった辺りで、そのから海に向かって道路は落ち込んでいく。ここからはまだ海は見えないが、樹林帯の中を道路は正しく日光イロハ坂のように蛇行し、湾曲している。前方の上り下りのバスが、お尻を向けていたかと思ったら、つい先のコーナーでは180度回転し、正面を向く。今まで南島でこうしたイロハ坂もどきの道路には遭遇しなかったが、この岩峰のピークに近い地点から一気に海岸線まで下り降りるとすれば、こうしたヘアピンカーブにせざるを得ないのか。しかしそれにしても、ヘアピンの凄さからすれば、修善寺から達磨の峠を越えて、戸田の港まで一気に下り降りる坂道の方が凄いだろう・・。

バスの回転に調和するように、身体を左右に傾け、道路が漸く直線に差し掛かった頃、道路横のかなり広めの駐車場に入り込み、駐車する。これから鬱蒼とした深い森の中の森林浴だ。緯度は南極に近づいていて、本来なら気候は寒くなる筈なのに、海流の影響からか、この辺り、セミジャングルのように樹木が繁茂し、木の幹も太く又高く、樹林を通しての遠方までは見通せない。

遊歩道が出来ているが、こうした歩道が無ければジャングルだ。沖縄以南の南方で見られる大きなシダ(羊歯)、ベニシダを大きくしたお化けのような羊歯、名前は確か「へゴ」と言ったと思うが、その大きな「へゴシダ」が遊歩道の両側に繁茂している。これは将に亜熱帯と同じだ!山を越え、トンネルを抜けた先は、亜熱帯のジャングルだった。




樹林帯の中には沢も流れている。
イメージ 8



氷河を溶かした沢は、凄い勢いで流れている。
イメージ 9



沢の水圧が岩を砕き、流れを変えている。
イメージ 10



頑丈な岩がこのように飴のように捻じ曲げられている。
イメージ 11



氷河にしても、それを溶かした沢にしても、水圧は強力だ。
イメージ 12



数百年、数千年の間に山の形を変えて行く。
イメージ 13



NZの緯度の高い地方で、亜熱帯のようなジャングルの森林浴を終え、駐車場に引き返した。
イメージ 14