ちゃおチャオブログ

日々の連続

安倍総理に願う事。2つのお願い。

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先日の自民党勉強会に際しての若手議員のマスコミ威圧発言、百田氏の沖縄新聞2紙を潰すべきだとの発言に関し、今日の朝日夕刊には、安倍総理と谷垣幹事長の会談要旨が幹事長から発表されたが、それによると総理は「極めて遺憾だ。言論の自由は民主主義の根幹をなすものだ。」と述べていた、とある。国政を預かる者、又自民党総裁としては当然の発言であるが、今までこうした問題に踏み込んだ発言の無かった総理としては、久し振りに旗色を鮮明にした観がある。

NHK籾井会長問題にしても任命権者としての責任を取ろうとする姿勢はなく、この百田氏にしても、つい最近までNHK経営委員をしていて、総理の直接の任命権はないとしても、その意向を汲んだ人事に違いなく、或は、国民はそういう風に見ていて、このNHK問題に関して、国民は煮え切らない思いで総理の挙手を傍から見てた。

国民は総理に多くの事を期待している。過去10数年、或は20数年、入れ替わり立ち代わりでの弱小短命内閣で、世界中のPower Politicsからは陰の笑いもの、或は体の良い棚上げで、GNP世界第2位乃至3位の大国としての重きは全くなかったが、久し振りの安倍内閣長期政権で、世界における日本の発言力も高まり、それに伴う責任の比重に国民は内心喜び、従って、内閣支持率も70%を越えると言う、共産国家のような高支持率を得ていた。

しかしここに来て、国会を過去最長に延長し、現在審議中の安保法制を今国会中に是が非でも成立させたい、との意向をなりふり構わず表向きにし、結果、国民からの信を失うことになり、直近の調査では支持率も50%を下回ってきている。そこへ今回の若手議員の横暴とも言えるマスコミ弾圧発言に、もしも先のNHK問題のように総理がダンマリを決め込んでいたら、支持率は更に低下したに違いない。今回は実に良いタイミングで、これ等、選良とも言えない幼児的な跳梁跋扈の輩を処分抑圧したのは、全く時宜に適ったことだった。

当方は総理に願う事が2つある。近年希にみる名宰相の器を更に鼎の域にまで持って行きつつある総理だからこそ、お願いしたい。

その先ず第一は、今審議中の安保法制を強行してはならないこと。大半の憲法学者憲法違反と判断している法律を作り、国民に押し付けてはならない。国民の多くは、現況のアジア情勢、国際ヒエラルキーの中で、同盟国との連携、連帯、集団安保の必要性は感じている。しかし今の憲法では、それは違反になると学者の大半は言っている。だから、この法律を立法し、施行する為には先ず憲法を変えてから行わなければならない。憲法をないがしろにする政府は国民からも信用されなくなるし、諸外国からも蔑まれる。

もしも安倍内閣が強硬に本安保法制を今国会中に制定した際には、国民の多くから憲法違反で訴えられるだろう。その際には、憲法違反が明らかになる。問題は自衛隊とか日米安保条約投票権憲法問題とは次元の違う国家の命運にかかわる問題だ。従来の憲法解釈論とは異次元の問題であると、憲法学者ならずとも、並の国民も理解している。従って、本法案が憲法違反として提訴され、敗訴するのは火を見るより明らかで、その時は総理の名声も大きく傷つくだろうし、国民の信も失うことになる。

するべきは、先ず憲法を変え、然る後に法律を制定すべきだ。順番が逆になってはならない。世界のルールはDue Procesであり、日本もそれに従わなければならない。現状の安倍内閣であれば、早期の憲法改正も可能と考える。


次のお願いは新国立競技場建設問題。建築家、土木学者、技術者の多くはこぞってザハ案は無理で、膨大な費用がかかる。代案で槇氏が提案している方法で建設したら工期も費用も大幅に安く済む、と言っている。槇氏は何も功績を横取りしようとしているのではなく、日本の為を思い、提案している。その真言文科相、森氏、関係者の耳には入らない。当方の目には文科省の頑な姿勢は、戦前の大本営が現代に舞い戻ったかのように見えた。個人個人では間違いと分かっていても、全体では一度決めたことは何があろうとも変更しない。変更できない。結果、300万人以上の日本人を殺し、国土を灰燼に帰した。文科相及び関係者は、再び大本営の過ちを繰り返そうとしている。

安倍総理真言を聴きわける心眼を持っている。正しい判断ができる希な宰相と思っている。この際、指導力を発揮し、ザハ案を変更し、多くの識者の指摘する方向に、決断を下すべきだ。現在の文科相、森氏、その他の関係者には正しい判断を下すべき能力はない。オリンピックと言う晴れの舞台に日本の恥を晒すことはない。

以上の2点を総理が正しく方向付けて行けば、後世に残る希に見る宰相、明治の元勲と並び称せられる総理として、永らく国民の記憶に残されるに違いない。進歩派的な祖父岸総理、ハト派的な父安倍外相、両方の血筋を引いている安倍総理だからこそ、出来ることと思う。是非、当方の願いを聞き入れ、後世に残る名宰相として日本の歴史に名を刻んで欲しい。今まさに総理の英断を待ち望むところである。


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