ちゃおチャオブログ

日々の連続

対話と友好。日中尖閣問題を思う。

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人は話し合いによって理解することができる。特に双方に誤解が生じた際の対話の重要性は言うまでもない。話すことによって双方の誤解を解かなければならない。
 
今現在の尖閣問題に関する日中間の深い溝は既に憂慮すべき事態を越えている。こうした状態が長く続くことによる双方の経済的損失は計り知れないものがある。
 
では、どうして今日のような状況に陥ったのか。その原因は日本政府の尖閣諸島の国有化にあり、その国有化に対し強く反対していた中国サイドを硬化させ、大規模デモが発生し、交流が途絶え、物流、経済が低下しつつある。これはどちらにどれだけの打撃を与えるか、の問題ではなく、双方にとって、大きな損失となる。この様な経済的損失、又、友好関係を旧に復する為にも、双方の誤解を解かなければならない。
 
この問題のそもそものきっかけは、石原都知事がこの島を都が買うと言い出して以降、国が都に代わり地権者と交渉し、この島を所有することになったことにあるが、この間の事情を国は中国に充分伝えていない。中国が理解し、納得できるような説明をしていないし、国民に対する事情説明も不十分だ。
 
現実に、国がこの島を所有することによって中国を硬化させ、現地製造工場、輸出業者、国内の観光業者、その他、諸々に多大の影響、損失を与えているのだから、国は先ずもって、国民に対し、国が所有することに至った背景、正当性(当方に取ってはバカ高い金額を払ってまでして買った正当性はそれ程ないと考えているが)等を説明し、現実に生じている対中国との困難な状況を、どのように解決していくかを、説明する義務がある。
 
国が都に代わり、直接所有に乗り出したのは、都が所有することにより、都がこの島を国の断りもなく勝手に利用することを阻止する目的で買ったんじゃないですか?都がこの島に色々な構築物を作り、中国を刺激させない為に、都の勝手な行動を許さず、直接所有することにしたのでしょう?国が所有することにより、従来と同じ状態で、この尖閣を平穏な海にしておく意図があった訳でしょう。
 
国が買うことによって、何もこの島に自衛隊の基地を置くとか、ミサイル基地を構築するような目的は全くなかった。ただ単に所有の問題を個人から国に変えることにより、少なくとも都が所有するよりも、従来と同じような状態で、この海域が平穏に保たれる。国は日中間の平和を考え、この海が波高き騒動の種にならないことを願い、この島の所有を決断したのだった。単純に所有権移転の問題として捉え、国が所有することにより、より安定的な平穏が保たれる。そう考え購入したのだが、しかし現実は全く逆の結果として噴出してしまった。
 
何が問題だったのか。国が所有することにより、これ程激しい反発が中国サイドから巻き起こるとは全く予測できなかった外務官僚の無知と、大所高所からの総合的な判断ができなかった野田の無能に尽きるものだが、だが、だからと言って一旦踏み出した政府決定を又元に戻すことは出来ない。現状の状態で問題解決を図らなければならないのだが、中国を納得させ、振り上げた拳を下げさせるには、対話しかない。国が購入した背景と理由、その後の運営について、上記の背景事情を十分に説明しなければならない。
 
その上で、日本としても、国連であれ、国際司法であれ、第三者機関での所有権の帰趨について協議すべき旨の提案をしなければならない。このまま膠着状態が続けば、長引けば長引くほど、双方の経済的損失は拡大していく。その負の責は双方の国民が負うことになる。一刻も早い両国の話し合い、了解と互譲、誤解に基づく不毛な争いを1日も早く解消しなければならない。
 
 
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