海援隊での飲食を早々に終わらせ、次の店に行くことにした。
生け簀のグルクンも空揚げにしてもらった。
次に向かったのが夜の前島。
物陰からぬっとお化けのような客引き婆さんが現れる。
100円のオリオンビールに泡盛の古酒多良川を充分飲み且つ食べた筈なのに、酒豪の集まりはこれでは収まらない。誰からともなくもう一軒と言い出し、次に稲さんが案内してくれた場所は、先刻泊港を見た「とまりん」ビルの直ぐ近くにある前島の飲み屋街。
タクシーを降りると暗がりからぬっと、厚化粧の婆さんが現れる。ぎょっとして皆お化けに出くわしたかのような警戒心で上半身をのけぞらすが、稲さんは何やら親しげに話しこむ。どうも以前来たことのある店をその婆さんに尋ねているようだ。婆さん、合点が行ったのか、のこのこ更に薄暗い路地に誘い込み、とある1軒のスナックに案内する。
そこはエリゼという店で、後で聞くとその婆さんの名前はエリカ。自分自身で、「エリカちゃん、エリカちゃん」と呼んでいるが、薄暗いスナックの中でしげしげ見ると、成る程、洋風な名前であっても不思議でない。多少なりと、外人の血が混じっているかも知れない顔立ちだった。しかしこの厚化粧は頂けない。顔面を塗りたくったというか、厚ぼったい化粧が皺に食い込んで、波を打っている。死ぬまで現役、彼女自身こうした夜の仕事を楽しんでいる風で、ビールのお代わりを何本もねだられる。優しい稲さん、いいよいいよと言いなりにビールの追加注文、テーブルの上に瞬く間に7-8本のビール瓶が並んだ。
この店に入って一番喜んだのは、カラオケ名人のネギさん。チーママとの歌い比べでマイクを離さない。新曲を次々披露するが、皆誰も知らない曲。一人大声を張り上げて悦に入っている。それにしてもこのチーママの歌唱力は素晴らしい。当方がもうちょっと若く芸能関係に身を置いていれば、必ずスカウトしたい女性だ。この歌い手なら日本のスーザン・ボイルは間違いなし。必ずや銀幕のスター間違いなく、今ヒットチャート上昇中の由紀さおりもものかわの歌唱力だ。沖縄は芸能の島。こうした隠れた才能があちこちに潜んでいるに違いない。
思いっきり飲み、歌いベロベロの酔ったネギさんを抱えるようにしてホテルまで戻ったが、この店の料金、これだけ飲んで、歌って、羽目を外したが、4人で僅かに1万円。今日は本ママが不在だったが、どうも稲さんの顔が利いたようだ。殆ど原価で楽しめた。
タクシーを降りると暗がりからぬっと、厚化粧の婆さんが現れる。ぎょっとして皆お化けに出くわしたかのような警戒心で上半身をのけぞらすが、稲さんは何やら親しげに話しこむ。どうも以前来たことのある店をその婆さんに尋ねているようだ。婆さん、合点が行ったのか、のこのこ更に薄暗い路地に誘い込み、とある1軒のスナックに案内する。
そこはエリゼという店で、後で聞くとその婆さんの名前はエリカ。自分自身で、「エリカちゃん、エリカちゃん」と呼んでいるが、薄暗いスナックの中でしげしげ見ると、成る程、洋風な名前であっても不思議でない。多少なりと、外人の血が混じっているかも知れない顔立ちだった。しかしこの厚化粧は頂けない。顔面を塗りたくったというか、厚ぼったい化粧が皺に食い込んで、波を打っている。死ぬまで現役、彼女自身こうした夜の仕事を楽しんでいる風で、ビールのお代わりを何本もねだられる。優しい稲さん、いいよいいよと言いなりにビールの追加注文、テーブルの上に瞬く間に7-8本のビール瓶が並んだ。
この店に入って一番喜んだのは、カラオケ名人のネギさん。チーママとの歌い比べでマイクを離さない。新曲を次々披露するが、皆誰も知らない曲。一人大声を張り上げて悦に入っている。それにしてもこのチーママの歌唱力は素晴らしい。当方がもうちょっと若く芸能関係に身を置いていれば、必ずスカウトしたい女性だ。この歌い手なら日本のスーザン・ボイルは間違いなし。必ずや銀幕のスター間違いなく、今ヒットチャート上昇中の由紀さおりもものかわの歌唱力だ。沖縄は芸能の島。こうした隠れた才能があちこちに潜んでいるに違いない。
思いっきり飲み、歌いベロベロの酔ったネギさんを抱えるようにしてホテルまで戻ったが、この店の料金、これだけ飲んで、歌って、羽目を外したが、4人で僅かに1万円。今日は本ママが不在だったが、どうも稲さんの顔が利いたようだ。殆ど原価で楽しめた。
通りの中程にあるエリゼというカラオケスナックに案内される。
早速ネギさんの新曲披露が始まる。
ネギさん、貸し切り状態で歌を歌い、至ってご満悦。
エリカチャン、歳を聞いたら80歳。まだまだ当分は現役で活躍できそうだ。
時と歳を忘れ、笑いに興じた。思い出に残る那覇の初夜だった。