補陀落渡海への旅（５０）月湖への道すがら。

運河があるのも如何にも情緒的だ。

ああ、白鳥か鷺も飛来してきている。

掃き清められた歩道が続いている。

歩道上には花壇も作られている。

何の標語だろう・・。「この街は更に美しく（美麗）」と書かれている。

駅前ホテルを出て、駅に沿って歩き、日本人クラブが何軒か集まっている一角を通り過ぎ、大きな街路樹の茂る通りを歩き、「月湖」に向かう。この街の観光は午前中しか時間がないので、余り遠出はできない。ホテル周辺で目立った場所と言ったら、「月湖」位しかなく、そこへ行って見ることにした。

先刻通りを清掃している作業員を見かけたが、広い歩道には落ち葉一つなく、綺麗に掃き清められている。昔の中国のイメージは、道路にゴミが散乱していて、人々は路上に平気で唾や痰を吐きだしている。歩道など汚くて歩けないので、仕方なく車道を歩く、といったこともあったが、今やこの街は、昨日の川沿いの街並みや公園もそうだったが、街全体が公園都市のようである。

街路樹は高く生い茂り、幅広の歩道には花壇が作られ、色とりどりの観葉植物が植えられている。世界経済第２位の国に相応しい綺麗な街並みだ。歩いている人が少ないのは、人々は足を使わず、車で移動しているからか・・。歩道の壁には、今は壁新聞ならぬ、国家建設、都市づくり、健康増進などのキャンペーン標語が並べ書きたてられている。大したものだ・・。

数百ｍの街路樹の通りを歩いていると漸く前方に「月湖」が見えてきた。この街の公園は一体何が待ち受けているのだろう。昨日の川沿い、今日の街路樹、等々から察するに、この公園も又素晴らしいものに違いない。